監督:ダグ・リーマン 出演:ヘイデン・クリステンセン サミュエル・L・ジャクソン レイチェル・ビルソン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 デヴィッドは15歳の時に川で溺れた時に、気が付くと図書館にいた事で自分にテレポート能力がある事を知った。5歳の頃に母親は家を出て行き、酒浸りの父親との生活にうんざりしていたデヴィッドは、そのまま行方をくらまし・・・10年後、NYのペントハウスで優雅な生活を送っていた。ところがある日デヴィッドの前に「パラディン」と名乗る謎の組織が現れて、自分を抹殺しようとしている事を知る。辛くもパラディンから逃げられたデヴィッドだったが・・・
【感想】 スティーヴン・グールド氏著の傑作SF小説「ジャンパー 跳ぶ少年」を映画化。 主人公デヴィッドを「スター・ウォーズ・EP1〜3」でアナキンを演じたヘイデン君、ジャンパーを抹殺する組織「パラディン」の親玉ローランドを、これまた「SW/EP1〜3」に出演してアナキンに腕を切られたサミュエルが演じています。 正にサミュエルが「SW/EP3」で腕を切られた恨みを本作で晴らそうという趣向。←勝手に決めんなって(^-^;
「パラディン」という組織は原作には登場しない、映画オリジナルの設定なんだそうです。(原作未読) と言うか、今回映画化するにあたり、「人間がテレポーテーション能力を持ったら」というネタと主人公の生い立ち部分だけを原作から借りただけで、全くのオリジナルな話だと思っていいでしょう。
実は本作、予告編見てむっちゃくちゃ期待してたんですよネ♪ この手のSFってだぁ〜い好き!何だかんだでこういう「映像先行」「金掛けてナンボ」な類は、ハリウッドさんに頑張ってもらわないと楽しめませんよねー♪・・・という書き方で何となくその後の展開が見えるでしょうが(苦笑) 何だかどーでもいいお話でした。←またこーいう事いきなり書くし〜
確かに映像はすっごくいい! ジャンパーにはルール?があって、どうやら「自分が見た事のある場所」にしか行けないらしい。それは直接出向いて自分の目で見た景色や場所でなくても「写真」でも可能なので、ジャンパーの部屋にはありとあらゆる国の風景写真がベタベタと貼ってあったりする。写真でもOKなので「地球の歩き方」や「ロンプラ」を全巻持っていれば最強!(笑)
まあ、ここらは予告編で垂れ流している映像止まりだけどー(苦笑) でもいよいよパラディンと直接対決するシーンも、なかなか緊迫感があって面白い。 個人的には「そんなちょこっと移動するだけじゃなくて、思いっきり海外に逃げまくればいいじゃん」と思いながら見ていたんですが、コレはコレで「戦闘モード」の演出としてはまずまず絵的に良く出来てる。
でもねぇ・・・根本的に話が薄っぺら過ぎるんですよね(^-^; そもそも「パラディン」という組織の目的がよく判らない。特殊能力を駆使して違法行為をするジャンパー達を撲滅するのがとりあえずの目的らしいんですが、正義の味方?にしてはやり方は極悪非道な感じですし、大体からして彼らがジャンパーを抹殺するとどういう特典があるのでしょうか? 誰かから命令されてやってる訳でもなさそうですし、ジャンパーを殺す事で報酬を得てる訳でもなさそうですし。
デヴィッドの初恋の人「ミリー」のキャラクターも描き込みが全くなくて「ただの尻軽女」にしか見えない。 10年も消息不明&音信不通だった男(しかも元カレという訳でもない)が突然目の前に現れて「キミの夢だったローマに連れてってあげる♪」と言われただけで、どうしてホイホイと着いて来て彼女気取りでいるのかと(苦笑)
他にもジャンパー仲間の「グリフィン」、デヴィッドのおかんの事等・・・何もかもネタ放り出しってさー(怒)
とにかく描き込みが足らない・説明不足も甚だしい。 だから単なる「ジャンパーVSパラディンの鬼ごっこ」にしか見えないんですよね。 それ以上の展開はなく・・・ジャンパーがそこにいて、ジャンパーを抹殺したいヤツが現れて、ジャンパー逃げる・パラディン追い掛ける・ジャンパー逆襲に出る・パラディン迎え撃つ、はい!終了〜♪みたいな。おいおいおい(^-^;
終わり方も尻切れトンボな感は否めなくて「なんだかなぁ」な空気がバリバリなんですが・・・ どうやら噂によると、本作は最初から続編を作るつもりで企画されているっぽい?最初から続編を作るつもりだから、敢えて本作では様々な設定に対して説明不足でキャラについても描き込みをしなかったのだとしたら、
いや、それでももう少しワクドキ出来るように観客に説明してみようよ、ね?(^-^; 映像は確かに十二分に楽しめたので文句なしですが、内容自体が余りに薄かったですね。ちょっとがっかりです。
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