監督:平川雄一朗 出演:岡田准一 宮崎あおい 塚本高史、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 大型台風が近付いている8月の東京。この街で様々な人々が陰日向の奮闘を繰り広げる・・・パチンコ依存症で借金取りから追われるシンヤ、母親の初恋の人を探しに浅草のストリップ劇場を訪れた寿子、崖っぷちアイドル「みゃーこ」を必死に応援するオタクのゆうすけ、「モーゼ」のようなカリスマホームレスに出会って自らもダンボール生活を始めたエリートサラリーマンのリュウタロウ。一見バラバラに見える人々の人生が奇妙に交錯していく。
【感想】 劇団ひとり氏著の大ベストセラー同名タイトル小説の映画化。 相当売れてるらしいですが、原作未読です。でも予告編をバンバンやってるし話題にもなってるのでかなり期待♪
原作がどういう構成になっているのか判りませんが、要するに「オムニバス群像劇」ですね。 更に登場人物それぞれがどこかで何かしら繋がっている(アイドルおたくネタだけは独立してたかな)という・・・数年前に大ヒットした「ラブ・アクチュアリー」のヒューマンバージョンといった風情です。 この手の「オムニバスに見せて、実は登場人物が微妙に繋がってる」という展開は今更感がありましたね。
まあ悪くない話なんですが、何だかグダグダになっちゃってるなぁ〜という感じがしましたよ。 登場人物が多過ぎるんでしょうか?少なくとも「アイドルおたくネタ」はばっさり切ってもよかった気がします。明らかにこのネタだけが話の流れ全体から浮いていると思いましたから。
それから親切設計のつもりなのかもしれないけど、登場人物の人物相関図が判り安過ぎる。 登場人物があらかた出た段階で「この人とこの人がこーいう関係で、こっちは実はあの人って事ね」と、相当察しの悪い人でも想像が付いちゃうんですよね・・・まあ、本作はサスペンスというジャンルではないので人物相関図が丸判りだって全然問題はないのかもしれませんが、それにしてもあくまでも見せ方は「実はこの人とこの人がネ!」という種明かし的なお楽しみを観客に提供しようという意図を感じるので「それにしてはショボい見せ方だなぁ」と思わざるを得なかったです。
キャスティングにも疑問符が。←今日は吠えまくってますなぁ〜(^-^; 岡田クンはいいね!彼はジャニーズ系の中でも演技力は突出してると思うな♪ でも塚本クンは「おたく」じゃないでしょう。演技云々以前に風貌が全くキャラに合ってないですよ。それから実は個人的には大好きな宮崎あおいちゃんなんですが、このキャラクターには合わないと思いましたね。弁護士にも見えなければ一人二役のコメディアンキャラも寒過ぎる&大ウケしてる漫才ネタがショボ過ぎでドン引き。
なんだかなぁ〜・・・な空気が延々と脳内を支配していて、かなりお寒い気分で観ていたのですが、 グダグダな展開や見せ方を差し引いても、本筋の訴えている部分は日本人気質によく合う内容だったと思いますね。 都会でみんな孤独を噛み締め、悩みを抱え、本音を晒せずに生きている。それがあるきっかけで誰かと出会い、交流する事で自分が抱えていた問題と対峙して、そして動き出す・・・こういうネタは日本人のメンタリティによく合うと思います。
「笑って、泣ける」みたいな煽りコピーを見掛けますが、少なくとも笑える部分はなかったし泣きもしませんでした。 でも話自体は決して悪くはないと思ったんですよね。きっと原作はあれだけ売れてるんだから、少なくとも映画よりは上手に構成されているんだろうと思いますよ。
原作は素晴らしい?のかもしれませんが、映画の見せ方は今一つ・・・という気がしましたね。
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