ぴよの映画めった斬りコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2008年01月18日(金) 再会の街で

監督:マイク・バインダー
出演:ドン・チードル
    アダム・サンドラー
    リヴ・タイラー、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
NYで歯科医をするアダムは妻と2人の娘に恵まれて仕事も順調な、誰が見ても羨むような人生を送っていた。ある日20年ぶりに大学時代のルームメイト「チャーリー」と再会するが、チャーリーはアダムの事を覚えていないと言う。ある事件以来消息が判らなくなりチャーリーの事を心配していたアダムは、再会をきっかけにチャーリーの元を訪れるようになるのだが・・・


【感想】
ドン・リードル×アダム・サンドラーという異色の組み合わせの作品。
監督は自ら役者もするマイク・バインダー氏。彼は本作でも会計士の役で出演しています。

本作、上の【あらすじ】にも「ある事件」という風にボカして書きましたが、チャーリーは世界中が忘れようにも忘れられないあの大事件で妻と3人の娘を亡くしてPTSD(心的外傷後ストレス障害)になってしまった、という設定。
ミエミエなのは百も承知ですが、その「事件」が何なのかはここには書きたくありません。

何故なら本編では話がかなり進んで来るまで、チャーリーがPTSDになってしまったきっかけが何だったのかを具体的には説明してくれなかったからです。
「あの事件に関する話なのだ」と観客に前もって知らせたくないのだろう・・・という監督の意図を感じたので、既にアチコチで思いっきりネタバレされまくってますが、敢えてココでは触れないでおきたいです。

要するに本作は「心に傷を持った人の再生物語」系なんですね。
正直言うとあの事件絡みのネタにしなくてもよかったんじゃないか?という気はしなくもない。
単に「事故で妻と子供を一度に亡くした男と、何不自由ない生活に見えるものの、実は腹に一物抱えている男の友情と再生を描いた作品」という作りで全然良かったのに・・・この事件絡みにしちゃうと、斜め目線で観る人も多かろうに、という気がしましたね。

で、問題の「友情と再生物語」なんですが、コレがまた凄くヒネった見せ方をしてましてね。
まあそう思ったのは、ぴよが「この映画は実はあの事件ネタだったんだ」という事を知らずに鑑賞していたからというのも多分にあるんですが、チャーリーの様子が最初の内は「コイツ、何かの事故で頭でも打ってイカれちゃったって設定?」という風にしか見えなかったんですよ(苦笑)

でも凄くささやかだけど、チャーリーとアダムのお互いの事情をさりげなく伏線として描いている。
チャーリーに関してはバレバレだけど、アダムの方は自分の見知った精神科医に通りすがりを装って(勿論待ち伏せ)「自分の友達の事なんだけど」という設定で実は自分の悩みを打ち明けたりしている。本当は予約を取ってきちんと診療を受けたい気持ちもあるんだけど、どこかで「世間的に何もかも満たされていると評価されているハズの俺がメンタルクリニックにグチを垂れに行くなんて」という抵抗感を感じているという葛藤が本当にさりげなく描かれている。

上記の伏線(世間的に誰もが羨むような状況なのに、実は悩みを抱えているアダム)があるからこそ、チャーリーに妻にも語れない自分の悩みを堰切ったように語ったアダムの様子にジーンと来たんです。

友情は一方方向じゃない。アダムが自分の悩みを封印して、いい人ぶって「学生時代の友達が悩んでいるから」という正義感だけでチャーリーと会っているという話だったら、大して感動もしなかったと思うんですよ。
アダムが妻にも言えなかった自分の悩みをチャーリーに開けっぴろげに語った事で、チャーリーもようやくアダムは同じ土俵で語れる相手なんだと、ようやく胸襟を開いて付き合える人に出会ったんだろうな、と・・・

結果的に大団円とは言い切れない微妙な終わり方ではあったものの、人間ってそうそう簡単に心の傷が癒される訳でもなければドラマティックに人生観が変わる訳でもない。
非常に人間心理をリアルに描いた作品だったなぁ〜と思いましたね。

正直、かなりゆるゆるな展開の作りなので、途中でダレちゃう人も多い気がするのですが、見て損はないです。
子供にはこの映画の友情と心理は判らないだろうなぁ・・・心に傷を持つ大人の為の作品ですね。








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