監督:アラステア・フォザーギル、マーク・リンフィールド 声の出演:渡辺謙(ナレーション) ※ドキュメンタリーなので出演クレジットはなし オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 約50億年前の若き地球に巨大隕石が激突した。この衝突事故により地球は地軸を23.5度も傾けてしまったのだが、それが結果的には地球に生命と美しい自然と四季をもたらし、今日ある「奇跡の星」へと導いたのだった。北極点を出発点に、この美しい奇跡の星を縦断する旅をはじめよう・・・
【感想】 「ディープ・ブルー」のスタッフが再集結して製作された驚異のドキュメンタリー。 その名も「地球」、主人公は地球。そして地球に息づく生き物、植物、そして過酷で雄大な自然。
ドキュメンタリー映画というのは「眠たくなる」と敬遠する人も結構多い。 実際に先のディープ・ブルーもぴよの隣に座ってたおっさんは上映5分で高いびき状態でいい迷惑だったし(苦笑)、本作も同じスタッフによって撮影されて+ベルリン・フィルの素晴らしい癒し音楽が美しい映像に被っているので、最近お疲れな方がご覧になったらまぶたは速やかに閉じていく事でしょう(^-^;
でもいいものはいい! ここ数年地球環境問題がうんと取り上げられるようになって、この手のドキュメンタリーは本当に増えましたが、その中でもこのBBC放送スタッフの製作したドキュメンタリーは映像の質も構成も群を抜いて素晴らしいと思います。
前作のディープ・ブルーの時はナレーションをマイケル・ガンボン氏が担当して日本での公開は字幕になっていましたが、字幕だと小さな子供が見ても何を説明されているのかが理解出来ない。 大人だけでなく子供にも是非見てもらいたいという思惑があったんでしょう。本作では上映する各国でそれぞれナレーションを付けて字幕なしの公開にされたようです。で、日本公開は渡辺謙さんがナレーションを勤めています。
このナレーションがドキュメンタリーを見慣れている大人にはウザいと感じる向きもあるかもしれませんが、個人的には子供に多く見てもらおうと思ったらコレくらいのご親切ナレーションが入っていて丁度いいんじゃないか?と思いましたね。 ドキュメンタリーを見慣れていない人や子供を相手にしようと思うと、眠くならない程度に母国語の説明が入った方が逆に映像に入り込み易くなるだろうと思います。
撮影スタッフの苦労も偲ばれますが、撮影機材・撮影技術も格段に向上しているんでしょう。 「こ、コレはどーやって撮影したんだぁ?」と想像も付かないような凄い映像やアングルがバンバン☆
コレってただの空撮だけじゃなくて、衛星撮影もしてるんだろうなぁ・・・よく判らないんですが、ある動物の親子を間近で見ていると思ったら、それがずんずん絵が引いて行って、途方もない上空からの俯瞰に切り替わっていったりする。 滝を上空から見下げていたと思ったら、滝つぼに向かって絵がどんどん落ちて行き、更にぐるりと回って滝を下方遠景から眺める視点に切り替わる。 本当にコレってどーやって撮影したの?シロウトにゃ〜絶対に判りませんよっ!!
様々な生物の映像も、途方もない忍耐力で「その一瞬」を待ち構えて撮影したんでしょう。本当に頭が下がります。
きっと本作を見て「もうこの手のドキュメンタリーは飽きた」「何見ても同じよね」「NHK特集と同じじゃん」と言う人も多かろうとは思いますよ。確かにそうでしょう、そうでしょう。(^-^; でもお願いだから飽きないで欲しい。コレは今私達がラッキーな事に生を受けた「奇跡の星」の映像なんですから。 地球環境保護に関するナレーションに対して鼻白む人もいるでしょう。でも我慢して聴いてやって欲しい。 もしかしたらこの映画を見る事で初めて自分達の生きている地球の素晴らしさを知って「この星を守りたい」と思ってくれる人が1人でも増えるかもしれないんですから。
特に子供達には是非多く見て欲しいですね。 そして自分が住んでいる星にはこんなに素晴らしい自然があり、生き物が生を謳歌し、太陽の恵みを受けて豊かな自然が息づいているという事を知ってもらいたいです。 更に一歩進んで「地球環境を守る」という事の必要性までを感じられるかは難しいかもしれませんが、知識として脳に焼き付けておく事は重要だと思います。
斜め視線になってしまう大人の方も是非!文句垂れまくりだったとしても、決して見て損はありませんヨ!!
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