監督:メアリー・ハロン 出演:グレッチェン・モル リリ・テイラー ジャレッド・ハリス、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 テネシー州ナッシュビルの貧しい家庭で育ったベティは、厳しい母親の元で敬虔なクリスチャンとして育てられた。奨学金を受ける事に失敗したベティは大学進学を諦めて結婚・離婚を経験、単身ニューヨークにやって来る。海辺を散歩中にカメラマンに声を掛けられた事がきっかけでモデルとしてのキャリアをスタートさせた。その後紹介されたカメラ・クラブで個人客相手に大胆な衣装やポーズを取り、ヌードも厭わず笑顔を振り撒く彼女は絶大な人気を得るようになるのだが・・・
【感想】 1950年代にたった7年間だけ活動した後に忽然と表舞台から姿を消してしまった「永遠のピンナップ・ガール」と今も絶賛され続けているベティ・ペイジの半生を綴った作品。
ベティ・ペイジという名には聞き覚えがあるがどんな人なのかさっぱり記憶になかったが、映画を見ていて彼女を撮影した有名な写真のいくつかが映し出されると「コレは見た事があるな。このモデルさんの事だったのか」という感じでした。 彼女の活動期間は非常に短かったが、その後も様々な影響を世間に与え続けて、あのマドンナのボンテージファッションのパフォーマンスもベティの写真から影響を受けているんだそうです。
50年代のアメリカと言えばガチガチ保守の時代。 この時代によくもここまであけっぴろげな衣装とポーズでモデルをこなせたもんだ、一体この人は何考えてこんな天真爛漫な笑顔でカメラの前に立てたんだろう・・・と思って映画を見ていたら、
何も考えてないようでした(をい)
いや、考えてない訳じゃない・・・むしろ幼少時代から敬虔なクリスチャンだった彼女は、自分のしている事がイエス様にどう思われているのか?どんな罪に問われるのかと煩悶し続けていたようですが、映画を見ていてぴよが感じたのは「売春してる訳じゃない、ちょっと変わった衣装と小道具を持って顧客の要求に応えてポーズを取ってるだけで、コレと言って悪い事なんてしてないワ♪」という彼女のあっけらかんとした道徳観でした。
女性が扇情的なポーズを取ったりヌードを晒す事が罪なのか? それを「犯罪だ」と言う人もいるし「道徳的でない」と言う人もいる中で、ベティのセリフは白眉でした。 「だってアダムとイブはヌードだったわ。罪を犯したから彼らは服を身に着けるようになったのよ」 ・・・あんた、上手い事言うねぇ〜!屁理屈王選手権やったらアンタが優勝間違いなしだよっ!(笑)
そんな破天荒な女性の半生なのですが、映画は非常に真面目に地味に作られています。 映画の大部分は50年代らしく見えるようにモノクロに作ってあるのですが、マイアミの明るい太陽の下や彼女が出演した短編映画の撮影風景等の印象的なシーンだけは鮮やかなカラー映像になっています。 このモノクロとカラーのシーンの使い分けが、彼女の心情や信条も表していたのではないか?と感じましたね。
「面白い映画なのか?」と聞かれると・・・実在した女性の、しかも彼女自身から語られた半生ではないようですので(周囲からのインタビューは入念になされているようですが)、実際の彼女の気持ちについては想像の範疇を出る事はなく、少々説得力とパンチに欠けて面白味があるとは言い難いというのが正直な印象です。
でも、あの永遠のピンナップ・ガールが実はこんなに真面目で敬虔なクリスチャンだったのだ!というギャップが、彼女の天真爛漫な笑顔をミステリアスでより一層魅力的なものに見せているのだろう、彼女の生き方・考え方までもが印画紙に焼き付けられたからこそ、今も尚世界中から愛されるアイコンになっているのだろうと思わされましたね。 ・・・ま、ヤロー共にとっちゃー「エロくて可愛くて、ぃやっほーう♪」だけだったんでしょうけど(笑)
映画とは関係ない?んですが・・・ 主演のグレッチェン・モル嬢、名前を聞いた事もあるし顔を見て「絶対に彼女の出演した映画見た事ある。何だっけ?」と思いつつもなかなか作品名を思い出せずにいたんですが、彼女が服を脱ぎ捨てておっぱいがポロ〜ンと出た瞬間「あ!この美乳には見覚えがあるぞ!えーとたしか・・・ああ!『人妻』ぢゃねーか!?」←家帰って調べたらビンゴだったし
顔見ても思い出せないのに、乳見て思い出すってどんだけよ〜(苦笑)<自分
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