2007年11月02日(金) |
ボーン・アルティメイタム |
監督:ポール・グリーングラス 出演:マット・デイモン ジュリア・スタイルズ デヴィッド・ストラザーン、他 オススメ度:☆☆☆☆☆
【あらすじ】 失った記憶と自分の真実を追い続けるジェイソン・ボーンは、ロンドンのガーディアン紙に自分の事が記事にされているのを読んで、この記事を書いた記者のロスに接触しようとロンドンへ飛ぶ。時同じくしてロスがCIA内部告発者と接触し「トレッドストーン」に追随して計画された「ブラックブライアー」について知った事を掴んだCIA本部は、ロスの監視を開始する。ロスと接触を試みたボーンだが、CIAの送り込んだ暗殺者によってロスは狙撃されてしまう。
【感想】 「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」に続く大ヒットシリーズ3作目にして完結編。 最後だけに「ボーン・アルティメイタム(最後通告)」・・・カッコいいよ!カッコ良すぎるよ!ジミーちゃん!←をい
このシリーズ、1作目の「アイデンティティー」を見た時はそれほど面白いと思わなかったんですよね。 でも2作目の「スプレマシー」を見たらすんごい面白かった!2作目を見た事で「1作目だって結構良かったんじゃ?」と改めてこのシリーズを再評価する事になって、そしてついに完結編ですよ。こんなの楽しみにしない訳がありませんわ! もう期待値MAXまで跳ね上がりまくりですってば!!
・・・という書き方をすると、普通なら「そのMAXな期待値をあざ笑うような〜」等と吠えるのがお約束なのですが(^-^; このシリーズは本当に珍しい。本当に珍しい事に1作目から話が進めば進む程どんどん面白くなって行く。 特に1作目と2作目ではかなり作風が変わったなぁ〜と思ったんですが、監督さんが変わってるんだから作風も変わって当たり前ですね。そして2作目が大ウケだったので本作も2作目の監督さんが引き続きメガホンを取った。 コレは大当たりですよーう!ってか、1作目の監督は何だったんだよ?(こらこら)
この監督さんの最も特徴的な事は、アクションシーンのみならず心理的に緊迫するシーンはカットを非常に短くし、他方向からの視点を瞬時に切り替えて観客に見せるという手法を多用している事。 本当に1秒見せるか見せないか位のタイミングでどんどんカットを変えて対象物を見せる。コレが前作でもちょっと吠えた画面酔いする原因にもなっているんですが(苦笑)、でもこのカット割はこのシリーズに限って言えば非常に効果的。
今回肉弾戦アクションも非常に質の高い仕上がり(と思わせる見せ方)でしたし、カーアクションに到っては前作どころの騒ぎではありませんね。このロケで実はお亡くなりになっちゃったスタントマンが最低3人はいるんじゃないの?と心配したくなるくらい凄まじい、アクション映画史上記憶に残る名カーアクションシーンになってましたね。
映画全編通して見ていてめくるめくスピード感と高揚感、ハラハラ感が持続しっぱなしの脳内アドレナリン大放出状態だったんですが、でもよくよく後になって冷静に考えてみると「実際にボーンがアクションしたシーン」というのは、実はそれ程多かった訳じゃない。 では何故こんなに高揚しっぱなしでいられたのか?・・・この「細かいカット割」の手法がアクションシーンだけでなく、ボーンが周囲に気を遣いながら歩いているだけ、逃げ回っているだけのシーンにも多用されていたからなんですよね。
「3部作の完結編」と言うと、話をまとめなければいけない為に「ネタの後片付け」にいっぱいいっぱいになって映画自体の面白味がなくなってしまうパターンが多いのですが(パイレーツ・オブ・カリビアンなんてその最たるもの)、 本作は観客を有無も言わさずグイグイとスクリーンに引きずり込んで、めくるめく高揚感とスピード感、アクション、そしてアクションだけで客を誤魔化さずにきちんとボーンの心情や内面の心理描写も巧みに見せて、そして驚愕のオチまで全くテンポを落とさずバランス良く描いて見せた。
コレは脚本も良かったけど、やっぱり監督さんの裁量が大きかったと思いますね。 更に言えば・・・この作品とこの監督さんの組合せ、そしてマット・デイモンを主演に据えたというチョイスの全てが完璧にハマったのだと言うより他はありません。このどれが欠けてもこのシリーズは成り立たなかったと思う。
細かいシーンにツッコミを入れようか迷ったんですが(苦笑)、とりあえず全部目をつぶって大絶賛させて頂きました! ラストでニッキーがニヤリと微笑むシーンまでパーフェクトです♪コレは久々に本気でワクドキ出来る良作!!
|