監督:荻上直子 出演:小林聡美 光石研 もたいまさこ、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 春のまだ浅い季節、ある南の島にタエコは一人旅でやって来た。投宿した「民宿ハマダ」は変わった人揃いで、毎朝部屋に起こしに来る「サクラ」の存在や浜辺でみんな揃ってする「メルシー体操」、いつも宿周辺をブラブラしている高校教師、そして観光するものなど何もないと言い切る宿の主人。「たそがれる」事の意味が判らないタエコはこの空気に着いて行けず、島にあるもう一軒の宿「マリン・パレス」に宿替えしようとするのだが・・・
【感想】 昨年公開されて大ヒットした「かもめ食堂」のスタッフが再集結して作った新作。 本作も予告編を見る限り、かもめ食堂と同じような「スローライフのススメ」みたいな空気バリバリでしたね。 かもめ食堂はめっちゃくちゃツボに入った作品だったので、かなり期待しまくってました・・・期待してたクセに公開してもなかなか見に行かなかったってのはどういう了見なんだ?あぁ?(^-^;
いきなり結論書きますが、「本作はイマイチだった」 ←あー。また感想書き難くなっちゃったよぉ〜(苦笑)
与論島でロケをしていて、島の鄙びた田舎道や青い海、白い砂浜に建てられた小さな「サクラのカキ氷屋」、古びているけど清潔で気持ちのいい宿の厨房、色とりどりの体に優しいこだわりまくった食事。 映像は実に見る人を癒してくれて、誰が見ても「こんな【何もしない旅】ってステキよねぇ〜♪」と思わせてくれる。
でも、ちょっと「狙い過ぎ」という気がする。 現実味のない、どうやって飯食ってんだかさっぱり訳の判らない人々の、おとぎの国のスローライフ。 コレはコレで決して悪くはないんだろうけど、「かもめ食堂」が当たったから同じコンセプトで癒し度を上げれば観客は大喜びしてくれるだろう、そういう「あざとさ」が鼻に付いて、ぴよには正直言って今1つ乗れなかった。
サクラはどこから来て何をしている人なのか、タエコが何故「センセイ」と呼ばれているのか、そもそもどうして本作のタイトルは「めがね」なのか、ただ出演者が全員めがねを掛けているからというだけの理由なのか、そんな事は別に説明してもらわなくてもいいです。(いや、説明してもらいたい気持ちもあるにはあるんですが。苦笑) でも映画全編何となく出演者達が島でのんびりしていて、ボーッとしていて、釣りしてオセロしてマンドリン弾いて「たそがれ」ていて、ただそれだけ。 「かもめ食堂」は色んな小ネタやエピソードを差し挟んでいて見せ場があったけど、本作はずーっと一本調子で映像にもほとんど動きがないので、見ていて眠たくて眠たくて目を開けているのにどれだけ苦労したか(苦笑)
「与論島PV」「スローライフ推進PV」としての機能は果たしていると思うけど、映画としてどうなの?という感じ。 もし「かもめ食堂」を見ていなければ、本作を見て「まったり癒されたぁ〜♪」という感想になったかもしれないけど、あれだけ世間で大絶賛された「かもめ食堂」の次作がコレでは「柳の下の2匹目のドジョウ」狙いがミエミエで正直白ける。
勿論本作だって悪くはないと思いますよ。 でも「かもめ食堂」のスタッフが再集結して「かもめ食堂」より質を落としていたのではダメだと思いますね。
癒し度は確かに高い。高過ぎて睡魔と格闘するのに神経をすり減らし、癒されるハズが疲れてしまいました(苦笑)
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