監督:マシュー・ヴォーン 出演:チャーリー・コックス クレア・デインズ ミシェル・ファイファー、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 イングランドの外れにあるウォール村に住む18歳の青年トリスタンは、村1番の美女ヴィクトリアを呼び出して求婚をしている時に流れ星が落ちるのを目撃した。愛する証拠として流れ星をプレゼントすると約束したトリスタンだったが、星は村外れにある「壁」のはるか彼方に落ちている。昔から壁の向こうの「外の世界」には行ってはならないという掟があったのだが・・・更にこの流れ星を巡り、外の世界でも邪悪な動きが起こっていたのだった。
【感想】 イギリス出身の大人気SFファンタジー作家ニール・ゲイマン氏著の同名タイトル作品を映画化。 主役のトリスタンには若手俳優チャーリー・コックスを大抜擢、脇をロバート・デ・ニーロ、ミシェル・ファイファー等の大御所が固めて、スタッフもハリウッドの一流ドコロを集めまくり・・・何やら物々しい「大作」臭がプンプンです。
要するにロード・オブ・ザ・リングやハリポタのような近年量産されているSFファンタジー系なんですが、上に挙げた2作と大きく違う点は上2作は非常にシリアスに作られているけど、本作は結構ベタなコメディシーンを盛り込んでいる点とそれから話の柱になっているのが「恋愛」ネタだという点。 色んな要素を盛り盛りにした「ラブコメ冒険SFファンタジー」という感じでしょうか。
欲張ってアレコレ盛り込んでいると小ネタが多過ぎて収集着かずに話が空中分解しちゃうケースが多いのですが、本作はなかなか脚本が練れていて「結局何だったのか訳わかんねー」というストレスはありません。 空から降ってきた流れ星ちゃん(星なのに何故か人間の姿形をしている)が最初に主人公と出会って2人で移動を始めるんだけど、流れ星ちゃんを巡って魔女チーム、某国の跡目争いチームが争奪戦を繰り広げ、そこに気は荒いものの心優しい大空をフィールドにしている海賊(空賊?)達が主人公と流れ星ちゃんの助っ人として現れる。
・・・んー。こうやって書くとなんだか「天空の城ラピュタ」みたいだネ。ってか凄く似てる! シータ(ラピュタのヒロイン)は「飛行石」を持ってたけど、本作の流れ星ちゃんは大粒ルビーを身に付けている。それが王家の跡目争いをしているチームにとっては「王位継承権の証」の一品になっているというのもラピュタに酷似。 と思ってちょっと調べたてみたら、本作には「この物語の感動は、まさしく宮崎映画の実写版を見ているようだ」というコピーが付いているそうだ。宮崎映画の実写版ってか、それはパクリ・・・(あわわ)
って、「ラピュタ似」は今映画感想を書きながら話の筋を書き出していて思い始めた事でして。 映画を見ている時には「ラピュタと同じじゃーん」とは気付かなかった。気付かなかったけど「どこかで見た事のあるような話の展開だよな。一昔前のファンタジー映画のネタを繋ぎ合せてるっぽい既視感があるな」という感じでした。
デ・ニーロが茶目っ気たっぷりにいいヤツキャラを演じていますが、個人的にはミシェル・ファイファーの魔女役の方がなかなかの怪演っぷりで好きですね。奇しくも先日見た「ヘアスプレー」でミシェル・ファイファーを久し振りに見たばかり、しかもヘアスプレーでもアクの強い悪役を演じていらっしゃいましたが、本作でもなかなかスゴイ悪役で・・・彼女、いつまでもお美しいけど本当に悪役がよく似合います♪(笑)
主人公トリスタンを演じたチャーリー・コックス君、最初の頃は「どーでもいいわ」って感じなんだけど、話が進んできて海賊達と出会った辺りから急に「この子、カッコイイじゃない♪」に変わる。実際映像が明らかに後半から急にカッコ良くなる。 惜しいのはヒロインの「流れ星ちゃん」かなー。彼女は正直ぴよには余り魅力的なヒロインに見えませんでしたね。
でも何て言うのかなぁ〜。 上手く言葉にするのが難しいんだけど・・・あんまり印象に残らない凡庸なファンタジーって感じがしたんですよね。(^-^;
見ていて不満は全くないけど、目新しさも感じない。 ストレスを感じる程の古臭さは全くないけど、かと言って目を見張る程の驚きや感動もない。 つまらない事はない。むしろ結構面白い。でも「心に残る一作」には絶対にならないという微妙な作品(苦笑) 「ラピュタ」は今も自分の中ではBEST作品に必ず挙げる名作だと思ってるんだけど、何故かラピュタに似ているハズの本作にはとりたてて心に残るシーンもセリフも印象もない。何が違うんだろう?うーん。不思議です。
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