監督:アダム・シャンクマン 出演:ニッキー・ブロンスキー ジョン・トラボルタ ミシェル・ファイファー、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 60年代のアメリカ・ボルチモア。歌とダンスが大好きなトレイシーの夢は憧れのダンス番組「コニー・コリンズ・ショー」に出演する事。でも唯一にして最大の問題はトレイシーがチビな上に超BIGサイズだという事だった。そんなある日、番組レギュラーのオーディションが開催された。差別と偏見の激しい番組を牛耳るベルマにけんもほろろの扱いを受けるものの、紆余曲折の末めでたくレギュラーの座を射止めた。とんとん拍子に人気者になったトレーシーだったが・・・
【感想】 1987年にオリジナルストーリーとして同名タイトルで映画製作され、2002年にブロードウェイ・ミュージカル化。それが翌年にはトニー賞に13部門ノミネート(8部門受賞)という高評価・大人気を博し、更に再映画化したという作品。 主人公のトレイシー役は1000人のオーディションから選ばれた新人ニッキー・ブロンスキー。 でもぶっ飛びなのは、トレイシーのママ役をジョン・トラボルタが演じているという事。パパ役じゃなくてママ役ね。 ちなみにパパ役はクリストファー・ウォーケン様です。(Mさん、感想読んでくれるぅ〜?ウォーケン様よぉ〜♪<私信)
映画が始まったと思ったら、いきなりトレイシーのBIGでCUTEなミュージカルがスタート! 本作、作りはかなり正統派なミュージカルだと思います。(ロクにミュージカルなんて見た事ないんすけど。苦笑) 基本的に歌とダンスありき。セリフや感情を表すのはほとんどミュージカルシーンで、その間を普通の演技で埋めていくという趣向になっています。かなりミュージカル部分多め。
正直言うとミュージカルって余り耐性がないので得意な部類ではないのですが・・・本作は楽しかったですねぇ♪ 明るくPOPでカラフルでHAPPY。だけど話の筋はかなり真面目な題材を扱っているというのも個人的に好み。
要するに話のネタは「黒人差別と偏見」なんですが、そんなド暗いテーマを本作は実にカラリと楽しく見せてくれる。 実際のアメリカの差別と偏見に対する歴史と変遷はこんな生温いもんじゃないのは百も承知、でもそういう気の重たくなるようなテーマをここまで明るい「おとぎ話」にして見せてくれたのが逆にぴよには気持ちがよかった♪ トレイシーというキャラがまた、本気の巨デブなんだけど全くもって天真爛漫。「巨デブ」という社会的マイノリティを自らが乗り越えられた彼女だからこそ、「黒人差別」という壁を打ち破る原動力になれるというのもいい。 実際トレイシーを演じたニッキー・ブロンスキーの自信に満ちた愛らしさったらどうよ?誰もが彼女を愛せずにいられない!
トラボルタの怪演ママとウォーケン様の愛すべき親父っぷりの夫婦も絶妙でしたね。 自らも巨デブのママが娘を思い夫を愛する姿はとってもいじらしいし、娘を信じて応援するパパもステキ! トラボルタがママ役ってどーよ?と思ってたんだけど、コレが全然違和感がない・・・むしろ、よくぞここまでやってくれましたと惜しみない拍手を贈りたい♪でも最初登場した時はやっぱり吹いちゃったけど(笑)
それからウォーケン様ファンは特に本作は必見ですね。彼のシーンはマジでオイシイ!ミシェル・ファイファーと絡むシーンなんて会場笑いっぱなしですよ。クソ真面目な顔してるクセにやってる事がアホ過ぎて吹きまくりですわ(笑) トレイシーvsパパのシーンも、すげー大真面目でジーンと来るハズなのにアホ(笑)。でもトラボルタとのミュージカルシーンには大御所の絡み(でもこの絵面ってスゴ過ぎる!)を堪能させてもらえて大満足♪
当時の世相を風刺したシーン等も上手に盛り込みつつ(ex.タバコをガンガンに吸いまくってたり)トレイシーという誰もが愛さずにいられないCUTEなおデブが、世間に吹き荒れる様々な「壁」に対峙して周囲を巻き込んでHAPPYにする。 日本では余りウケない「差別と偏見」がテーマになっているので、予告編では話のネタを見せないように「楽しい映画」という部分だけをクローズアップして印象操作していますが、本作は非常に重たいテーマを非常に重たいキャストがお軽く楽しく見せるという、日本人では絶対に作れない「ハリウッドならでは」というザッツ・エンターテイメントなのがいいんです!
見た人誰もが勇気を得て元気になれる、そんなビタミン・ムービーでしたね。 映画を見て心の底から「ああ、楽しかったぁ〜♪」と言える作品って実は少ないと思いますよ。オススメの一作!
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