ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年09月18日(火) 厨房で逢いましょう

監督:ミヒャエル・ホーフマン
出演:ヨーゼフ・オステンドルフ
    シャルロット・ロシュ
    デヴィット・シュトリーゾフ、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
南ドイツで小さなレストランを営むグレゴアは、人付き合いが苦手な変わり者の天才シェフ。そんなグレゴアがひょんな事で知り合った人妻のエデンに恋をした。エデンは夫を深く愛していたがグレゴアの料理の虜になり、夫が出かける夜に密かにグレゴアの厨房を訪ねて味見を楽しむようになった。エデンを喜ばせたいグレゴアの料理は益々官能的になり、客もうっとりする程だった。ところがエデンの密会が人々の噂になり、遂に夫の耳に入ってしまう。


【感想】
圧倒的な支持で2006年ロッテルダム映画祭観客賞を受賞した作品だそうです。
ドイツ映画はここんとこ当たりが多い。多いけど監督の名前も役者の名前もぜーんぜんワカリマセン。まあ、知らない役者でも聞きなれないドイツ語でも面白ければ問題ないですけどネ。

「エロティック・キュイジーヌ」というコピーだけを見て、前知識ゼロで鑑賞。
何だかソワソワするようなネーミングですね。「エロティック・キュイジーヌ」かぁ〜(もあぁ〜ん♪)←アホ
映画冒頭から様々な食材の映像が流れるんですが、料理って確かに人間の五感の全てを楽しませてくれる唯一のものかもしれませんよね。そして料理って「性」を駆り立てられる、想像させるモノなのだなぁ♪と改めて認識させてくれます。
映画中にグレゴアの料理を食べに来たレストランのゲスト達(+エデンの夫)を見せるシーンがありますが、その様子がヘタなSEX描写よりもよっぽど「そそられる」恍惚の表情で、料理って何てエロいんだぁ!と思っちゃいますヨ(^-^;

主人公の「グレゴア」という天才料理人のキャラクターが秀逸です。
子供時代に妹を妊娠中だった母親のパンパンのお腹を見て「こんなステキなお腹になりたい!」と巨体希望になったという生い立ちからして並みの料理人とは一味も二味も違う(笑)
彼の怒ってるんだか困惑してるんだか読み取りきれない微妙な表情は秀逸でした。人付き合いが苦手だけど誠実に生きて来た天才肌の人なんだなぁ、というのがスクリーンから溢れています。

ところでエデンの立ち位置がかなりズルい。
彼女はグレゴアの料理の味に一目惚れならぬ「一口惚れ」し、彼の料理以外は口に出来なくなる程心酔してしまう。
でもグレゴアの元に通い詰める内に、明らかにグレゴアが自分に惚れてる事は判っているハズ。その彼の気持ちを手玉に取っているのか天然なのかは窺い知れませんが、事ある毎に夫婦仲のいい事を強調した挙句、それはグレゴアの料理のお陰だと言ってみたり「あなたは本当に仲のいい友達♪」と言ったりする。

「お前、そりゃーズルいだろー」と思うものの、「でもコレが現実なんだよなぁ」と思う冷めた目の自分もいるんです。
私はグレゴアの「料理」を愛しているけど、でも「オトコ」として愛しているのは当然だけどイケメンの夫なの♪そんなの当たり前の事じゃない?・・・というエデンの声が耳鳴りのように自分の頭の中にこだまする訳です(苦笑)

世の中そうは問屋が卸しませんヨ、という展開がお約束通りあるのですが、正直言って本作の話の展開や流れ自体はとりたてて感動する程でもなく、非常に凡庸なんです。
それどころかクライマックス?のエデンの夫vsグレゴアの追いかけっこの顛末なんて、サスペンスちっくにシリアスな状態が続くのにいきなり降って沸いたような(本当に降ったな)コミカルな展開(苦笑)

妙にまったり進行で、正直大して何も進展しない話なんですが・・・でも何故か優しい気持ちになれる作品でした。
「ハリウッド製ラブコメ」にも「韓流メロドラマ」にも「邦画泣かせ感動モノ」にもない、独特の雰囲気と空気感をまったりと楽しませてくれる「切なく、そして目にも美味しい」大人向けの・・・心のほっこりするドラマでしたね。







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