ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年07月22日(日) フリーダム・ライターズ

監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
出演: ヒラリー・スワンク
    イメルダ・スタウントン
    パトリック・デンプシー、他
オススメ度:☆☆☆☆


【あらすじ】
ロス暴動2年後の1994年、ロングビーチの貧困層が渦巻くウィルソン高校203号室に新任教師エリン・グルーウェルが理想に燃えて赴任して来た。弁護士を目指していた彼女は「法廷で子供を弁護するのでは遅過ぎる。学校で子供を救うべきだ」という信念で生徒達と対峙するものの、激しい人種差別で授業どころではなかった。エリンは一計を案じ、自腹で購入したノートを生徒達に配り「毎日何でもいいから書いて」と提案する。すると生徒達が次第に自分の胸の内を綴り出したのだ。


【感想】
94年にウィルソン高203号室の担任になったエリン・グルーウェルと生徒達の交流、そして生徒達が書いた日記を出版した同名タイトルの原作を元に映画化。要するに本作は事実を元に作られています。
「事実の映画化」ネタは非常に多いですが、当たりはずれが多いのもまたこのジャンル(苦笑)

で、本作ですが・・・個人的にコレは「大当たり」
映画中に登場する生徒達の日記の内容は、生徒達の了承を得てほぼそのままの文章が引用されているそうですし、劇中で起こるエピソードやエリンの生活振りもほぼ事実に則しているそうです。
事実ネタの映画は多いし、エピソードを創作しないで事実のままに見せている映画も数多いものの、駄作と良作の境界線はやはり脚本構成にあるんだろうと思いますね。本作の脚本は本当に素晴らしかったと思います。

ちょっと調べてみた所、事実と唯一違っている?点は、映画中ではアンネの日記を読ませる前に生徒達にノートを配っているけど、事実はアンネの日記を読ませたのはノートを配る前だったという事くらいか。
でもコレは「周囲の教師達の生徒に対する見方と扱い」をより強調するのに効果的だったと思うので、事実とは順序が違っていても違和感は感じない・・・むしろ本作の順序の方が観客には入り込みやすい作りになっていたと思います。

「感動の実話」なんだから感動して当たり前なんだけど
(そうは言っても、全然感動出来ない作りの『感動の実話』映画だって沢山ありますよねぇ?)
生徒が「変化を求める」事に一丸となるきっかけ?になった、ある生徒が自分の日記を朗読するシーン・・・もうコレは涙無しには見れませんでした。「ここで感動しないでドコで感動するよ!?」って感じですよ。
貧困、人種差別、暴力と殺戮、親からの虐待・・・彼らの心の叫びが1つになって203教室で昇華される瞬間でした。

ただ、これは事実なんだから仕方ないと思うのですが、映画後半からの展開はちょっと個人的に疑問符が。
確かに203教室にいたから、エリンという教師に出会えたからこそ「生まれ変われた」生徒達だったし、だからずっとエリンと共にいたいという気持ちは判らなくもないけど・・・ちょっとやり過ぎじゃないか?と思わなくもない。

こう思ってしまうのは、この時代・この地で生きていない、何の差別も受けず貧困も知らずに育ったぴよだからなんだろうというのは百も承知していますが、規律を守るというのもまた学校生活の中で大切な事の1つだろうとも思う。
それにもしかしたら、彼らだったらこの後どんな境遇だろうが自分や203教室の仲間を信じて、周囲にもっと自分達のような差別感を持たずに生きていける仲間を増やせたんじゃないだろうか?むしろ進んでそういうオピニオンリーダーになる姿を見せてくれたんじゃないだろうかと思うと・・・ちょっと勿体無い気がする。

でも事実は事実。そして本作はその事実を妙な演出で臭い美談にしない、真摯な作りが好感の持てる作品でした。
「感動の事実を映画化」という名のクソ映画が横行する昨今、本作は久々に「本当にいいヨ!」とおススメ出来る一作♪







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加





 < 前の作品  INDEX  あいうえお順INDEX  次の作品 >


ぴよ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加