監督:メル・ギブソン 出演:ルディ・ヤングブラッド ダリア・ヘルナンデス ジョナサン・ブリューワー、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 マヤ文明後期の中央アメリカ。森の奥の集落に暮らすジャガー・バウは妻子と共に穏やかに暮らしていた。ところが突然マヤ帝国の傭兵が現れ、村は焼き討ちに遭い壊滅、そして村人達の多くが惨殺もしくは捕虜として都会に連行されたのだ。連行されたジャガー達は干ばつを鎮める為の生贄にされそうになるものの、危機一髪で回避する。しかし次に待っていたのは人間狩りの標的という過酷な運命だった。妻子の無事を祈りつつ逃げるジャガーだったが・・・。
【感想】 メル・ギブソン監督最新作。 今年のアカデミー賞に3部門ノミネートされた事でも話題になりましたね。結局1つも取れませんでしたが。 メキシコのピラミッド(神殿か)は絶対にいつか見に行きたいと思っているので、かなり興味深いジャンルです♪
出演者の殆どが本作で映画初出演というのも異色ですし、映画は全編マヤ語で語られるというのも異色。ハリウッド映画を見ると舞台がフランスだろうがイタリアだろうがとりあえず英語を話すのがお約束になってますが、メル・ギブソンは言語にも凄くこだわりますよね。前作の「パッション」も全編アラム語とラテン語で語られていたので、英語字幕の上に日本語字幕が表示され、スクリーンの1/3が字幕で隠れちゃって見難いったらありゃーしませんでした(^-^; ・・・まさか本作も字幕の二段技か!?と思ったら、今回はちゃんと日本語字幕だけでした。
で、主人公「ジャガー」を演じるのはロナウジーニョ。←コラ いや一瞬マジでロナウジーニョ!?と思ったけど、彼より全然イケメンでした。ネイティブアメリカンで伝統舞踏ダンサーでありアスリートというステキ肉体の持ち主。勿論映画初出演。 本当に本作の出演者は素人に毛の生えた程度の人達なの?と疑いたくなる程ナチュラルな演技ですよ。
映像も凄かった。 有名俳優使ってないから、ギャラで制作費を取られない分セットや美術に金が掛けられるのは判るけど、それにしても本作は凄く緻密でリアルな映像のオンパレードですよ。
更に本作はR-15指定のようですが、これは納得ですね。かなりエグいシーンが多い。最近のホラーは笑っちゃうような滑稽な惨殺シーンが多くて、ホラーが苦手なぴよでも結構お気軽に楽しめますが、本作の惨殺シーンは情け容赦がない。 映画冒頭の野ブタ狩りのシーンから結構「おげぇ〜」っと来る。その後も「うげぇ〜!」の連続。 マヤ帝国民ってのはこんなに残酷で野蛮なんですか?ここらの歴史に疎いのでよく知りませんが、かなりキツい。
まあそれもこれもメル・ギブソンのリアル映像を追求した結果なのだ、と言えばそうなんでしょうけど・・・ 映像は確かに評価しますが、内容はどうなんですか?コレ。別に話の筋が見え見えだって全然問題はありませんが、それにしても特に何か啓蒙している風でもなし、特に訴えたいものがあるようにも思えないし、ただ単に「追いかけっこ」を見せてるだけにしか思えないんですが(^-^;
一応主人公は「妻子の安否が心配で生き延びようとする」という大義名分があるんですが、映画を見ている限り彼の意思で生き延びようと逃げているのではなく、事の成り行きで逃げられる状況が出来たので、とりあえず逃げまくってるだけにしか見えなかったんですがね(苦笑)
更に、映画の前半で父親から言われる「恐れるな」という言葉がキーワード?らしいんですが、これもインパクトが薄くて主人公が何かに啓発されて「恐れ」の感情を克服したという風には見えない。 散々逃げまくった挙句、自分の熟知しているテリトリーに入ると突然「俺は恐れないぞー!」と反撃に出始めたようにしか見えなかったってのは、ぴよの目が腐ってるのか演出が悪いのか、一体どちらなんでしょうか?(薄涙)
きっと、ぴよはメル・ギブソンの感性と相性が悪いんだろうと思います。 映像の素晴らしさは認めるので、確かに本作は「劇場の大スクリーンで見るべき作品」だとは思いますが、前作のパッションといい本作といい、映画を見ながら思った事は「で?結局それで何なのよ?」でしたもの。
|