監督:ミシェル・ゴンドリー 出演:ガエル・ガルシア・ベルナル シャルロット・ゲンズブール アラン・シャバ、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 父の死がきっかけで長年暮らしていたメキシコから母が住むパリに移住してきたステファン。母の経営するアパートに住んでいたステファンは、隣の部屋に引っ越してきたステファニーに恋してしまうものの、ステファニーの友人が「隣は口うるさい大家の部屋ね」と語っているのを耳にして、自分が住んでいると言えなくなってしまう。片思いのステファニーとせめて夢の中では恋人同士に・・・と望むステファンは、やがて夢と現実を混同するようになってしまう。
【感想】 ぴよ大好き!ガエル君主演の新作ファンタジーラブコメ。 監督は「エターナル・サンシャイン」で日本でも知名度の高くなったミシェル・ゴンドリー氏。そしてガエル君が好き好き大好きになってしまう恋のお相手はシャルロット・ゲンズブールという豪華な組み合わせ♪
映画冒頭から手作り感いっぱいのキュートな妄想空間がてんこ盛り! ガエル君演じるステファンは子供の頃から夢想癖(妄想癖?)があるらしく、夢と現実がごっちゃになって区別が付かないというノータリン兄ちゃん・・・いきなり無茶苦茶書いてますが、現実にこんなヤツがアパートの隣に住んでいる上に自分が好かれようものなら迷惑千万です。 ガエル君が猛烈に可愛いから許されるものの、冷静に考えれば社会不適合者のストーカーでしかありません(笑)
要するに、この映画は冷めた目で見てはいけない手合い。 映画の構成も何が夢で何が現実なのかを観客にも混同させようという工夫をふんだんにして、且つ夢の中ではチープでカラフルで楽しい手作りアニメを多用してファンタジー感を出して「不思議でキュートな妄想世界」を楽しみましょう♪というお遊び心を全面に押し出しています。
これは好き・嫌いがかなりはっきり分かれるタイプの作り。 判り易いハリウッド製ラブコメ、泣きを強要する邦画・韓流系ファンタジー恋愛物好きさんには全くダメでしょう。
そんな訳で、不思議ちゃん世界を単純に楽しめる方には、このゆるーい作りはハマるだろうと思います。 内容自体はどーって事ないんですが(コラ)、セリフがウィットに富んでいるし脇役のキャラクターも秀逸。特にステファンの会社の同僚達なんて楽しいですね、頭の中はおねーちゃんとヤる事しか考えてないような超ステレオタイプの「おフランスエロおやじ」なんて最高に笑わせてくれます。やたらエロネタ連発なんだけど、妙に愛嬌があって愛すべきキャラ。
ステファン自身も肝心な場面でアホみたいなエロい事言って、腰くだけまくりの超脱力系な野郎です。 ステファンがイラストを書いた「災害論カレンダー」についてスピーチするシーンで「災害の被害者に感謝します!」なんて語らせる辺りなんて、ゴンドリー監督の大人の遊び心を感じさせてくれて楽しいったらありゃしない!
それにしても、シャルロットは歳食ったなぁ・・・正直言ってガエル君のお相手にしてはトウが立ち過ぎ。 でも何か彼女って雰囲気がいいんですよね。神経質っぽい顔立ちなんだけど、何故かステファンの妄想世界に引きずられて結構楽しんでいたりする様子は、見ていて違和感なくすんなり受け入れられる。 結果的にはなかなか秀逸なキャスティングだったんじゃないかと思います。
個人的にはこういう作品って好きなんですが、基本的に万人ウケしない作りなのは確かです。 決してオススメはしませんが・・・ガエル君ファンならとりあえず必見♪
|