監督:スティーヴン・フリアーズ 出演:ヘレン・ミレン マイケル・シーン ジェイムズ・クロムウェル、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 1997年8月31日、ダイアナ元皇太子妃がフランス・パリで交通事故死した。既に離婚が成立していてイギリス王室とは関係のない民間人ではあるものの、将来の国王の母であり離婚後も精力的に活動する彼女は、イギリス国民に絶大な人気を誇っていた。エリザベス女王は王室としてコメントする必要はないと突っぱねるが、マスコミは激しい女王バッシングを展開し、最早一刻の猶予もなくなってしまう。そこへ就任したばかりの若きブレア首相が橋渡しを買って出たのだ。
【感想】 本作のエリザベス女王を演じ、ヘレン・ミレンが本年度アカデミー賞主演女優賞を受賞。おめでとーございました! 10年前にイギリス国民だけでなく世界中を悲しみの涙で包んだダイアナ元妃の事故死。ダイアナの死後、彼女とエリザベス女王の確執が随分とマスコミでバッシングされていましたが、本作は特にダイアナの死後1週間の出来事を中心に取り上げて「あの時本当は女王は何を思っていたのか?」という暴露ネタ。
やはりオスカー受賞という事で、ヘレン・ミレンの演技に目が行きますよね。 確かに上手い!ぴよはエリザベス女王と知り合いでもなきゃー直接お会いした事もないので(当たり前)、実際の女王の日常がどんな様子でどんな話し方でどんな所作なのかよく知らないのですが、射竦められそうな威厳のある視線、気品高い歩き方や立ち居振る舞い、落ち着いた物腰と話し方・・・「きっと実際のエリザベス女王もこんな気高いお方に違いない」と思わせる、エリザベス女王がご覧になっても大満足されそうな演技だったんじゃないでしょうか?
他の役者さんも、それぞれ実物に似た感じの役者さんを取り揃えて「いかにもこんな様子っぽい」演技をしてます。 皇太后なんてすっごく可愛いおばあちゃまだったわ。あーいう毒舌婆さん、結構好きですよ(笑)
ところで、どうしてダイアナの死後10年経った今、この映画なんでしょうか? 映画の構成は在りし日のダイアナ元妃の映像を時折挿みながら、そこへ役者さんの演技した映像を入れ込んで、さも本作の内容が正真正銘のイギリス王室のあの時の事実なんですよ、と誘導している訳ですが。 「誘導」って言い方は失礼か・・・でもどうも何かプロパガンダ臭がするなぁ〜と思うのはぴよだけなのだろうか?
「ダイアナは生きていても、死んでも(王室に)迷惑を掛ける」等と結構辛らつな事も言っていますが、チャールズが王室ジェットを飛ばしてダイアナを引き取りに行くと言うのを反対するのも、単に「ダイアナはもう王室の人間じゃない」という理由だけではなく、かねがね高額な王室費をバッシングされている事に胸を痛めている女王は、既に王室の人間でなくなったダイアナを王室ジェット飛ばして引き取りに行ったら、またマスコミに叩かれるんじゃないか?と心配しての事だし、バッキンガム宮殿に直ぐに戻らないのも、母親を亡くした幼い王子2人をマスコミの前に連れ出して更に傷付ける事のないように配慮しただけだし・・・と、まあ何もかも実に上手い具合に理由付けがされています。
それにブレア首相という人物がまた、とんでもなくクレバーで素晴らしい人格者です。 いや、別にブレア首相が嫌いな訳でもないし興味もないしよく知らないお方なので、クレバーで素晴らしい人格者に描かれてるからといって文句垂れるのはおかしいんですけどネ。 きっと本当にこの映画のような素晴らしいお方なんだろうとは思いますよ。←ホントかよ?(苦笑)
いやそれにしても・・・なんだかなぁ〜、という感じがしたんですよ。 別に自分の国の話じゃないんだからどうでもいいんですが、実際の話ダイアナとエリザベス女王は仲良しだった訳じゃないだろうし、本当に「目の上のたんこぶ」くらいに思ってたんだろうし、ブレア首相も就任早々エライ目に遭っちゃったものの、この一件を上手く仕切る事が出来れば支持率アップだけでなく英国王室に貸しも出来て一石二鳥の大チャンス♪と思っててもおかしくないだろうし。
なーんか何もかもが「美し過ぎて」面白味がない。 もっとドロドロだったんちゃうん?王子2人の為とか言ってるけど、結局逃げてただけなんちゃうん?と思ってしまうぴよは、もう更生の余地もない性根の腐った2ちゃんニートってヤツなんでしょうか(薄涙)
役者の演技は確かに素晴らしかったけど、内容自体に「感動したー!」とか「エリザベス女王万歳!」とか「ブレア素敵」という気持ちには全くなりませんでした。別にぴよが英国王室やブレアを支持しても意味はありませんけどね(^-^;
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