監督:デイビス・グッゲンハイム 出演:アル・ゴア オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 二酸化炭素等による温室効果ガスによって、地球の温暖化は深刻なものとなっている。地球温暖化に伴う氷棚の氷解と海面の上昇、異常気象と巨大ハリケーンの多発、生態系の変化といった事態が既に起こり始めているのだ。このままで行けば植物・生物そして人類、地球自体が危機的状況を迎える事は必至である・・・長年環境問題に取り組んできたゴア元米国副大統領は、パネルディスカッションを通じて世界中に地球温暖化の危機を唱える。
【感想】 本年度アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞にノミネートされ、日本でも注目度の高い作品。 ゴア元米国副大統領は日本でもお馴染みの元政治家だし、ブッシュとの大統領選でのフロリダ州のイザコザは今もかなりの人が記憶に新しい出来事の1つでしょう。
ジャンルとしてはドキュメンタリーなのですが、基本的にゴア氏が世界中で講演している「地球温暖化」についての講演内容をそのまま映画で見せて、その合間に彼の生い立ちや「何故地球環境保護に意欲的に取り組む事になったのか」といった横顔を独白形式で挿入している「講演会ビデオ」といった風情です。
ゴア氏が現役政治家時代、正直あまり好きな政治家ではなかった。 他国の政治家を「好き・嫌い」言うのも変な話ですが、ぶっちゃけ先の大統領選の時には「ブッシュは死ぬ程嫌い、ゴアは胡散臭そうで好きじゃない。どちらもイヤだけど、ゴアは日本に対して強硬派だから日本政府としてはブッシュが大統領になった方が都合がいいんだろうな」くらいの認識しかなかった。
今の世界情勢(特にイラク)、そして地球環境を鑑みるに・・・ゴア氏が大統領になった方が良かったんだろう。 この映画を見た人のほとんどがそう思うんじゃないだろうか?正直言ってぴよもそう思ったクチ←調子のいいヤツ
講演内容は比較的日本では知られた事が多いんだけど、アメリカでは未だに「地球温暖化なんて政治家の戯言でしょ?」と本気で思ってる人が結構いるそうだ。 これだけインターネットが普及し、情報が垂れ流し状態になった今現在でも、地球温暖化についてほとんど何の知識もない米国人が意外に多いという事に驚かさせる訳です。それだけ米国の情報操作は巧みだという事でしょう。
ぴよ自身、地球温暖化については人並み程度には知識があるつもりでいたのですが、それでも本作を見て初めて知って驚いた事がいくつかありました。 その中でも1番驚いたのは、北極海の氷が全てとけたら・・・今のまま地球温暖化が進めば約50年後に北極の氷は全て溶けてなくなるというのは知っていましたが、氷が全て溶けた後の北極海が、今度は蓄熱の役割をする等という事までは思いもよらなかった。いい勉強をさせてもらいました。
ゴア氏の講演の様子がそのまま映画で流れるのですが、流石に米国の元副大統領まで登り詰めた政治家だけあって、人の関心を集めて飽きさせないように、時にユーモアを交え、そして中学生以上くらいの年齢の人だったら誰が聞いても理解出来るように平易な言葉で、簡潔に、説得力のある素晴らしいトーク技術を披露していました。
まあ、本作は「映画」として評価する類の作品ではありませんね。 ドキュメンタリーというカテゴリにするのもどうかな?という感じがしなくはないですが、事実を実在する人物が実名で報道しているという事を考えれば、やはりジャンルとしては「ドキュメンタリー」なんでしょう。 映画の構成だの脚本だのをアレコレ評価する類ではありません。
でも見るべき作品です。と言うか、地球人なら知らなければいけない内容です。 映画ラストのスタッフロールに流れるメッセージも全部読んであげてネ♪
|