監督:アンドリュー・デイヴィス 出演:ケビン・コスナー アシュトン・カッチャー ニール・マクドノー、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 アメリカ沿岸警備隊に所属するレスキュー隊員ベン・ランドールは、最も困難な救助もこなし「伝説」と呼ばれる程だったが、ある任務中に親友でもある相棒を目前で亡くし、心に深い傷を負ってしまう。上官はベンの気持ちを慮り、しばらく現場から離す為にレスキュー隊員を養成する「Aスクール」の教官の職務を与えた。そこで高校水泳チャンプで自尊心の強い訓練生ジェイク・フィッシャーに出会う。ジェイクもまた、ベンと同じ心の傷を持つ身だったのだ。
【感想】 ケビン・コスナー&アシュトン・カッチャーのダブル主演(なんだろうな)最新作。 舞台は沿岸警備隊の訓練学校。新人訓練生の過酷な訓練の様子、訓練学校のある街で出会った女性との恋。訓練生仲間との絆を深めたり、教官に反発しつつも次第に深い尊敬と深い信頼関係が出来て・・・ って、そりゃーまるまる「海猿」だろー!ハリウッドも遂に邦画パクっちまったんだなー!
と、予告編を見た時に思ったものですが、実際に映画を見てみたら本当に「海猿・ハリウッドバージョン」でした。 ハリウッドの既存の作品で考えると「愛と青春の旅立ち・海版」とも言えなくもない。 要するに、本作は設定がまるまる「海猿」と同じだっただけで、この手の話ってのは大昔から何度となく飽きる程映画やドラマになっていて、特に本作が「海猿」にインスパイアされているという訳でもないんでしょう。
まあ、それでも日本人ならやっぱり「海猿」と比較しちゃう訳ですが・・・ 本作の方が当然だけど「海猿」よりうーんと金が掛かっているので映像に迫力がある。それに演じる役者の格も演技力も圧倒的に本作の方が上なので、臭い演技に鼻白むというストレスもない。 しかも本作は「教官vs訓練生」の人間関係をクローズアップさせていて恋愛色が薄いので、「海猿」よりもうんと骨太な内容になっているし、訓練の様子、実際の救助任務の様子等も非常にリアルに丁寧に見せてくれるので、「沿岸警備隊」という危険で崇高な職業に対する畏敬の念は本作の方が強く感じます。
本作の冒頭で海の底に住む伝説の「守護神」の話がサラリと語られ、その後そのネタから離れて本編に入る。 最初のネタ振りはどーなったんだろう?(ってか、本編に入ったらすっかり忘れてた)と思っていたら、映画の最後で冒頭ネタに戻るという憎い演出になっていました・・・まあ、これも使い古された手だと言われればその通りですがネ(苦笑)
そんな訳で結構いいお話&作りだったんですが、印象は非常に薄い感じ。←ん?また難癖か? 特にどうこう言う程悪い部分はないのですが、良くも悪くも「古き良き王道映画」の域を出ない。既に語られ尽くしたネタの焼き回しでしかなく作りもスタンダードなので、「誰もが感動出来る」と言える一方で「見飽きた話」と言われる危険性もはらんでいるという、正に「諸刃の刃」的な作品だったなぁ〜という感じです。
個人的には、ジェイクの恋愛部分は全部バッサリ切って上映時間を2時間以内に収めた方が良かったんじゃ?と。 この手の「スポ根」ちっくな作品は「若いおねーちゃんがいないと絵が汚くなる」と思っているのか?やたらヒーローの恋愛模様を挿入したがる傾向がありますが、本作の場合は教官と妻の丁々発止が平行して語られているので特に若いヤツの恋愛まで見せる必要はなかったように思いますね。 それに、ラストは「守護神」のエピソードで締めた方がずっと感動的だったのに・・・と思ったんですがね。
正直言って、日本では大してウケないだろうなぁ〜と思いますね。 でもぴよは少なくとも「海猿」よりは本作の方が好きですよ。日本のTVドラマの映画化に比べたら、質も内容も断然本作の方がレベルは高いです。←比べるのは映画の都・ハリウッドに失礼か?(^-^; アンチ・海猿の方だったら大満足、愛と青春の旅立ちファンの方は「もうええっちゅーねん」という感じですか(笑)
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