監督:塚本晋也 出演:松田龍平 hitomi 安藤政信、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 ある日、少女と中年男性の惨殺死体がそれぞれの自室で相次いで発見された。事件を担当するエリート刑事・霧島慶子と部下の若宮は、2人が共に殺害される直前「0」と表示される謎の人物と携帯で話していた事、そして事件の鍵を握るのが「夢」らしいと突き止めた。霧島は「他人の悪夢に入り込める」という特殊能力を持つ「悪魔探偵」と呼ばれている男・影沼京一を突き止めて、事件捜査の協力を仰ぐのだが・・・
【感想】 塚本監督の最新作・・・実は塚本氏の作品は余り得意じゃない(好みじゃない)んだが、意外に見てるんだな。 何でも塚本氏、以前から探偵モノが撮りたかったそうです。念願叶って良かったですね♪しかも本作は既にシリーズ化も決定しているらしいという噂?意欲満々ですねぇ〜
実は本作、タイトルと松田龍平君が出演しているという事だけに惹かれて、何の予備知識もなく鑑賞したのですよ。だから本作が塚本作品だと全く知らなかった。 映画が始まってしばらく映像やカメラワーク、独特の色調を見ていて「なぁんか塚本監督作品っぽいなぁ。この映画撮った監督さん、多分相当塚本氏にインスパイアされてるタイプねー」なんて思いながら見ていた訳です。 塚本氏ご本人が登場したのでようやく塚本作品だと気付いた・・・アホですね。えぇ。全くのアホです。
塚本氏の作品にしては、そこそこ一般ウケするんじゃないか?ってのが正直な感想ですね。 役者さんも松田龍平君や人気アーティストのhitomiちゃん等を起用してるし、探偵モノとして一応体を為していたんじゃなかろうか?とは思うんですよ。
ま、でもそこは流石の塚本ワールド。←ココ、ファンの方には誉めドコロらしい?ですから! 明瞭簡潔な探偵サスペンスという訳には参りません。そもそもかーなーりー映像がグロい。これは予想外。 そして途中までは「割と真っ当なサスペンスっぽい」空気を醸し出しているものの、中盤以降はやっぱり塚本映画らしい謎の空気感に包まれて「ああ。やっぱり塚本映画なのだなぁ」という不可思議で滑稽な世界観になったな、という感じか。
松田龍平君の「悪夢探偵」っぷり、キャラクターはかなり面白かったしハマってましたね。 でもhitomi嬢はどうなんだろう?コレ・・・本作で役者デビューらしいのであんまりいじめちゃダメだろうけど、ずーっと溜息交じりっぽい息の抜けた喋り方が気になって仕方なかったんだけど。もしかして監督からわざと息が抜けるような喋り方をして下さいって頼まれて、わざわざああいう喋り方をしてたという事なのかしら?
映画冒頭、悪夢探偵とは何ぞや?という説明の為だろう、原田芳雄サンの悪夢に入り込むシーンがあるんだけど、肝心の話の本筋の事件云々よりもコッチのネタを膨らませて見せて欲しいかも・・・という感じがしましたよ。 何も惨殺事件にムリヤリ引っ張って来なくても、コッチのネタの方が話の流れとして自然だと思うし、これ程エグい映像を何度も何度も見せられる事もなかっただろうと。
まあ、でもネ。 本作の一番オイシイ?部分はやっぱり「塚本氏ご本人登場」でしょうなぁ。 コレは気の毒がってやればいいのか、それとも素直に笑っちゃっていいのか、処置に困りましたヨ(苦笑) 少なくとも塚本信者は大喜びなんだろうなぁ・・・え?そーでもないの?(^-^;
塚本作品にしては、信者意外でも(ホラーファンなんて特に)結構楽しめるんじゃないかな?と思いますね。 しかーし!決して「これはオススメですよぉ〜♪」とまでは言いません。次回作は見るかどうか微妙な線ですなぁ。
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