監督:鶴橋康夫 出演:豊川悦司 寺島しのぶ 長谷川京子、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 かつてベストセラー作家だったものの、何年も本が書けずにスランプに陥っていた村尾菊治は、京都に住む雑誌記者の紹介で村尾の大ファンだという冬香と出合った。冬香に惹かれた村尾は、その後冬香と連絡を取り逢瀬を重ねるようになった。既婚で3人の子持ちの冬香は村尾への愛と家庭の間で揺れ動き、やがて「私を愛しているなら殺して」と言うようになる。果たしてある花火大会の夜、村尾の部屋にやって来た冬香の懇願を聞いて殺害してしまう村尾だったが・・・
【感想】 日経紙上で連載されて、賛否両論の物議を醸したという渡辺淳一氏の同名タイトル小説の映画化。 ・・・と言うと、かつて社会現象にもなった「失楽園」を思い出しますね。柳の下の二匹目のドジョウを狙ったのか?失楽園連載当時は日経を取っていたので毎朝読んでましたが、その後日経を取るのを止めたので本作の事は知りませんでした。勿論本も買ってないので原作は未読。
そもそも、昔は渡辺淳一氏の作品は必ず読んでいたものですが・・・もうすっかり飽きてしまったのだ(苦笑) 彼はデビュー当時は「元・医師」だった事もあり、医療関係のサスペンスや社会派小説を書いていたのですが、その後医療絡みの恋愛モノにシフトして、更に単なる不倫エロ小説に移行するに当たり、ぴよの興味は完全に失せた。 渡辺氏の小説に登場する女性が、余りに男性の妄想が激し過ぎて「こんなオンナいねーよ」と白けてしまうのだよ。
そんな訳で本作ですが、 やっぱりこんなオンナはイマドキ絶対にいませんね(きっぱり) コレって現代の話だよね?携帯でメールとかしてるし「平成17年8月1日」に冬香は殺害されている訳ですし(笑) それにしても平成17年に32歳だか33歳の3人の子持ちオンナにしては、余りにウェット過ぎるし言葉遣いも有り得ないくらい情緒めいて美し過ぎるし、いくら何でもこんなオンナは見つけようったってーなかなか見つかるもんでもあるまいて。 ・・・富山県出身者の女性はコレがスタンダードですか?だとしたら、世の男性は富山美人を嫁にするべきですな。
元々この手のジャンルはホラーよりも苦手なので、全然入り込めなくて困っちゃいました。 映画冒頭からかなり濃厚なエロシーンが炸裂するのですが、流石脱ぎっぷりのいい寺島しのぶ嬢!その後も映画の中で延々と脱いではセックスし、セックスしてはあえぎ、内容が何だったか忘れるくらいヤってヤってヤリまくっています。
基本的に男性作家が書いた小説だし、本作も男性の視点で描かれているので、冬香の心情が非常に判り難い。 でも普通なら、例え男性視点で男性作家が書いた作品とは言え、見ているぴよは女性なんですから、2人のエロいシーンを見ながら冬香の心情に何か共感せねばいけないハズ。 ところが冬香が「ああ、もう死んでもいいくらい幸せ♪」と言っていてもさーっぱり訳が判らないってのは? それって「死んでもいいくらい好き」になった人がぴよにはいないからなのか?それともネット上で「小さなおっさん」と呼ばれているぴよの、正に「おっさんスピリッツ」が冬香に同調出来なかっただけなのか?
それからハセキョーの検事役って、アレはどうなんでしょう? ムダにエロい服装でネットリ喋ってるんだけど、検事らしい知性を全く感じません。自分も上司と不倫しているので冬香に何となく同調しているらしいのですが、もし自分が犯罪を犯して担当検事がこんなキャバ嬢のようなおねーさんだったら、明らかにハズレクジを引いたのだとガックリ肩が落ちると思いますよ。
この映画の面白いのは、ラスト数秒の冬香の手紙部分くらいでしょうか。 周囲で散々冬香の真意を憶測しているのですが、最後で冬香自身が種明かしをしてくれます。コレが何とも自己中の極みと言うか何と言うか・・・こんなオンナに惚れた俺は甘んじてこの人生を受け入れるしかないのだー!と開き直るのか、それともこの映画の主人公のように達観出来る程オンナに思い入れが出来れば「男冥利に尽きる」と思えるのか。
そのどちらでもないぴよには「エロいシーンがいっぱい見れたし、たまにゃーアダルト映画もいいな♪」程度か。←をい この映画は男性・女性のどちらにウケるんでしょうか?少なくとも「失楽園」にすらハマれなかったぴよは負け組です。
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