ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
ぴよと意見が合わないからっていじめないでぇ〜ん!(^_^;)
【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2007年01月02日(火) 武士の一分

監督:山田洋次
出演:木村拓哉
    檀れい
    笹野高史、他
オススメ度:☆☆☆+


【あらすじ】
三村新之丞は30石の下級武士。城にお勤めとは言え「お毒見役」という仕事に嫌気がさして妻に愚痴を言うものの、美しく慎ましい妻「加世」と父の代から三村家に仕える「徳平」の3人で貧しいながらも幸せに暮らしていた。ところが毒見で食べた貝毒に当たって新之丞が失明してしまう。一時は自殺を考えた新之丞だったが、加世の為に思い留まった。しかし番頭の島田と加世が密通しているという噂を聞いた新之丞は徳平に加世を尾行させ、密通が事実だと知ってしまうのだ。


【感想】
藤沢周平原作・山田洋次監督のコラボレーション時代劇企画第三弾。
前作の「隠し剣・鬼の爪」は見たけど一番評判の良かった「たそがれ清兵衛」は見てない。そして三部作のラストがアイドル俳優キムタクが主演と聞いて、実はさっぱり見る気がなかったんだけど・・・たまたま映画館に行ったらこの映画しか見るものがなかったのだな(苦笑)

そんな訳で、巷でイヤという程語られている「何を演じてもキムタクはキムタク」なんですが、
確かに映画冒頭のキムタクの様子を見て「全然武士っぽくないし。てかやっぱりキムタクだし」とは思ったものの、話が進んできて失明した以降はグッと良くなりましたね。結果的にはなかなかいいキャスティングだったんじゃないでしょうか?
でも個人的にはキムタクよりも加世を演じた檀れい嬢が当たり役でしたねー。彼女、本当に愛らしくて美しい!

話の筋は簡単に言えば「妻を手篭めにされた男の復讐劇」なんですが、コレは復讐劇が主題ではなく、あくまでも貧しくもつつましく、そして心の奥底でしっかりと結ばれた麗しい夫婦愛を描いたホームドラマというヤツですね。

だからなのか?盲目になってから島田を討つ為に特訓するシーンやクライマックスの決闘シーンが、かなりおざなりな展開のような気がする・・・もう少し時間を割いて島田への恨みを募らせて剣術に精進する様子を見せるか、それとも決闘シーンをもう少し丁寧に描いてくれないと、島田が免許皆伝の剣豪だというフレコミにまるで説得力が出ない。
とにかく島田があまりにあっけなくやられてしまうので「コレで免許皆伝かよ。マジで?」と唖然としてしまう。
ま、夫婦愛が主題なんだから剣術シーンにアレコレ言うのはお門違いなんですけどね。判ってますよ。えぇ(苦笑)

でも「夫婦愛」自体はとても丁寧に描かれていたと思いますね。
新之丞・加世の夫婦に徳平が絡む事で、ちょっとコミカルで心がほっこりするホームドラマとしてうまく成立してます。
それから新之丞が盲目になるという設定を生かす為なのか?季節を感じさせる音や色(虫の声や舞い散る落ち葉等)を丁寧に効果的に挿入させている点はとても好感が持てます。

個人的には盲目になった新之丞が「そろそろ蛍が出る頃だけど」と加世に語り、縁側から蛍がチラホラと光を明滅させる様子を目にしながら加世が「まだ出ていません」と答えるシーンにはジーンと来ました。
季節の彩りを語る何気ない会話の中で、夫の気持ちを慮る夫婦愛の深さを見せる技は、流石に人間模様を撮る事に長けた山田監督の真骨頂を感じさせずにはいられませんでしたね。

そんな訳で、穏やかで麗しい夫婦愛の情景を描いている作品なので、全体的にぬるくてメリハリには欠ける気はする。
「時代物」で「復讐劇」だと思って見に行くと、かなりの確立で肩透かしを食らう感じ。ただ、期待していた部分が肩透かしだったとしても「夫婦愛」を見せるドラマなのだと割り切れれば、なかなかいい作品なんじゃないかなーと思います。

ま、でも個人的には「悪くはないけど、すっごく感動したという程でもないかな?」程度でした。
優しく温かい気持ちになれるいい終わり方なので、見て損はないですよ。邦画らしい優しい人間ドラマでしたね。







 ↑
クリックすると文字が変わる投票ボタン
姑息な手ですが、映画感想が気に入ってもらえたら
ポチ☆と押してやってください(^_^;)


My追加





 < 前の作品  INDEX  あいうえお順INDEX  次の作品 >


ぴよ [MAIL] [HOMEPAGE]

My追加