2006年12月01日(金) |
007/カジノ・ロワイヤル |
監督:マーティン・キャンベル 出演:ダニエル・クレイグ エヴァ・グリーン マッツ・ミケルセン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 暗殺ミッションを2度こなしたジェームズ・ボンドはようやく「00(ダブルオー)」に昇格した。ボンドの最初の任務はテロリストの資金源となっている“死の商人”ル・シッフルの存在を突き止めて、彼の資金を絶つ事。ル・シッフルの株価操作の阻止に成功し追い詰めたボンドは、高額掛金のポーカーで資金を稼ごうとするル・シッフルと勝負するためモンテネグロに向かう。そこへポーカーの掛け金の国家予算1500万ドルを携えてボンドの監視役として美女ヴェスパーが現れた。
【感想】 007シリーズも本作で21作目になったそーだ。 そして21作目にしてようやく原作の1作目「カジノ・ロワイヤル」に手を付けた。と言うのも、何故か007シリーズの中でもこのカジノ・ロワイヤルだけが映画化権が他社に買われていたらしいです。既に1967年に映画化もされてます。 が、67年製作の同名タイトル作品は「トンデモB級パロディ」として作られたらしい。ある意味コチラも興味あるな(笑)
本作からジェームズ・ボンド役がダニエル・クレイグにバトンタッチした事で、随分話題になりましたよね。 「全然ボンドのイメージと違う」「華がない」「ブサメン(←ココまで言ってねーよ。苦笑)」等と散々な叩かれようで、何ともお気の毒な製作スタートを切ったダニエル・クレイグ氏でしたが・・・実はぴよもダニエル・クレイグがボンドを演じるのは余りにムリがあるだろう、こりゃーダメ臭いな、と思っていました。
ところがどっこい! 映画冒頭、マダガスカルの工事現場でテロリストを追う、あの緊迫したシーン!スゴイ!これはスゴイ!! 誰だよ、ダニエル・クレイグはアクションが全然出来ないなんて噂流したヤツは!カッコ良過ぎるよ! 体がすげー美しい。キレがある。コクがある。←コーヒーじゃないんだから(苦笑)
本作が上手いと思ったのは、設定を現代にしている事。 全てリセットして今から新たに007シリーズを始める、という趣向にした事が成功の鍵を握っていたように思います。そうする事によってダニエル・クレイグがボンドを演じていても「時代設定も現代になってるし、新しいボンドって事でコレもありか!」と観客を納得させられるんじゃないでしょうか?←ってか勝手に納得した!
勿論旧作からの007シリーズに思い入れのある方にはダニエル・クレイグは絶対に受け入れられないだろうけどネ。 だからダニエル・クレイグのボンドを受け入れられるか・られないかで評価が分かれそうな気はします。でもこれだけの人気シリーズの過去を捨て去るのはとても勇気のいる決断だったと思う。この英断を評価したいですね。
だから新しく生まれ変わったボンドはパーフェクトでスマートな紳士ではない。 走って走って走り回り、ダブルオーに昇格した事でちょっと気負って自信過剰気味な未熟さがある。女性をサラリと落とすような手練手管にはまだ余り長けておらずに、時々女性に嫌味の1つもチクリと言ってしまう。失敗もする。 でもそんな荒削りな部分が妙に人間臭くて魅力がある。
緊迫するポーカーのシーンも見所満載だし、アクションと心理ゲームを組ませて観客の目を飽きさせない工夫にも長けていて脚本も非常に良く練れていたと思いますよ。それに・・・拷問シーンなんて萌えたわネ♪(笑)
毎回話題になる「ボンドカー」が今作非常に地味だったので「ありゃ?」って感じだったのですが・・・ そもそも今までのボンドカーが有り得ない仕様ばっかりだった訳だし、その他のスパイグッズも喜べばいいのか笑えばいいのかよく判らない仕様のモノばかりだったんだからー(苦笑) 要するに、本作はとことんリアル感を出して本来の「スパイ物」として原点回帰したという事でしょう。
それにね、何と言ってもラストシーンのカットの切り方がっ! 「My name is…」で、あの終わりですよ。もうあのカット割りにはシビれましたよぅっ!カッコ良過ぎるぅーっ!!
既に次回作もダニエル・クレイグがボンド続投で決定しているそうですネ!楽しみなシリーズになったぞー♪
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