2006年12月06日(水) |
名犬ラッシー(2005年・日本語吹替版) |
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:ジョナサン・メイソン ピーター・オトゥール サマンサ・モートン、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 ヨークシャーの小さな炭鉱の街で両親と暮らす9歳の少年「ジョー」の親友は、「ラッシー(お嬢さんの意)」という名の美しい毛並みのコリー犬だった。ところが炭鉱が閉鎖されて生活に困窮した両親は、ラッシーを裕福なラドリング公爵に勝手に売ってしまった。ラッシーは何度も公爵家から脱走してジョーの元に戻って来るが、公爵が800キロも離れたスコットランドへラッシーを連れて行ってしまい、遂に離れ離れになってしまうのだが・・・
【感想】 1940年に原作小説が発表され、43年に映画化。更に何度もTVドラマやアニメ化されて「世界で最も有名な犬」の1頭に数え上げられる「名犬ラッシー」を、新たに原作に忠実に映画化したもの。 この犬の名前を知らない人は珍しいと思う。流石のぴよも知っている。名前を知ってるだけでなく大体のあらすじもほとんどの人が知っていると思う。勿論ぴよも知っている。
先日、ラッシーと共に「世界で最も有名な犬」の双璧と呼ばれる「ベンジー」の最新作も鑑賞しましたが、今何故これらの名犬シリーズが新たに映画化されるのかよく判りません。そういうニーズが多いんでしょうか?
ベンジーシリーズと違い、こちらは王道中の王道。 新たに話を作る訳ではなくて、原作通りに忠実に再現しています。時代設定も原作当時のままなので、両親の一ヶ月の給金が5ポンドだとか7ポンドだとか言ってます。今の物価ならタバコ1箱って程度です。 もっともイギリスの物価は恐ろしく高いので、タバコ1箱が日本円で1000円くらいしますけどネ(苦笑)
こういう映画って感想の書きようがありません。 話が全て判っていて、昔何度も見ていて、今新たにと言われても・・・何の新鮮味もありませんもの。 何をどういじくり回しても「懐かしい」「犬が可愛い」「風景がキレイ」「時代考証が忠実でよく再現している」程度しか言う事がないんですよ。
当時の映像がどういう表現だったか記憶にありませんが、動物愛護団体の発言力が絶大になった現代に撮影すると、犬を虐待するシーンにはかなり神経を使っているようです。 犬を打ち据えるシーンは直接映像化する事を避けて「ムチを振るう人間」と「怯えて吠える犬」のシーンを交互に切り貼りする事で、「虐待シーンの撮影はしていますが、決して犬を本当に殴ったりしてはいませんよ」というアピールをしているように感じます。ご丁寧に映画の最後には「本作の撮影で犬に虐待は行っていない」という注釈まで入ります。
ぴよは犬・猫大好きですが、こういう注釈が入るのって何だか白けますね。 いっそ「CG使ってでもいいから犬に直接ムチが入ってる映像くらい出せよ」くらい思っちゃう。鬼ですか?(^-^; ま、最近は虐待シーン等の規制がうるさいから、犬殴っただけで「R-15指定」食らいそうですしね。完全子供向け映画なのにR指定になったんじゃーシャレにもならないわネ(逆にコレでR指定になったら面白いネタになりそうな気がしますが)
個人的には「悲劇の帰還劇」にしちゃった方が泣けたのになー・・・と思ってみたり。 学校前で倒れたシーンで映画が終わっていれば、映画館内は号泣の嵐間違いなしだなぁ〜、と思って見てました。 本作は原作に忠実だという事なので、原作もこのラストシーンと同じだという事でしょうか。全てが丸く収まる場所に収まっているので文句の垂れようもありませんが、大人が今更見ても特に感動はありません。
・・・何だか、王道の「いい話」映画を見てるのに、随分感想がひねくれちゃいました。 子供が見て感動する映画を汚れた大人が見てはいけないという事でしょう。「もうひとヒネリしろよ」と、つい考えてしまうような世間擦れした大人は門前払い確定の作品です。良い子の皆さん、是非鑑賞して下さい。
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