監督:三木聡 出演:松尾スズキ オダギリジョー 市川実和子、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 24時間勃ちっ放しという「継続性勃起症」の会社員、火元の確認が気になってなかなか外出が出来ない「強迫神経症」の女性ルポライター等、ちょっと変わった症状に悩む彼らは伊良部総合病院の精神科を訪れた。そこにいたのは見るからに怪しげなトンデモ医師「伊良部一郎」だった。彼の奇天烈な治療法に振り回される患者達だったが・・・
【感想】 奥田英朗氏著の同名タイトル小説の映画化。(劇場公開は2005年5月) 本作の「伊良部一郎シリーズ」第2弾である「空中ブランコ」で直木賞を受賞されましたね。 珍しく原作を読んでいます。原作が凄く面白かったのに映画は見逃していた(しかも見逃した事も忘れてた)ので、ようやくレンタルして来て鑑賞・・・もう暑くて映画館なんて行く気力ねーよー(涙)
原作読んでると(特に原作が面白かったりすると)、どうしても映画の評価は下がる。 文章で読んでキャラクターを頭の中で想像して楽しんだ分、映像化されたモノを見た時にそのギャップに苦しむ。 本作はその代表みたいな作品でしたなぁ〜。
そうは言っても、映画としてなかなか上手に料理されてはいたと思いますよ。 原作は1話完結のオムニバス形式の話になっているけど、その各話に登場するキャラクターのエピソードを、アトランダムに差し込みながら1つの映画によくまとめ上げてあるなぁ〜と思いましたね。 特に「継続性勃起症」に悩むサラリーマン役にオダギリジョー君を起用したのはナイス♪当然だけど彼のエピソードに一番ウエイトが置かれていて、話もきちんとカタを付けていたし、かなり笑えたし楽しめた。
でもその他のキャラクターのエピソードはちょっと弱いな・・・強迫神経症の市川実和子嬢の演技、どうも好きになれなかったんですよね。きっとわざとああいうキャラを作ってたんだろうと思うけど、単純に好みじゃなかったし彼女のキャラも立ってないような気がしたし。編集長のキャラが面白かったのが救いかな。
水泳中毒のサラリーマンの話は、アレはちょっとヒドい気がするなぁ。原作を知っているから不満なだけで、映画だけを見た人には楽しめたのかもしれないけど、ぴよには「こりゃーあんまりじゃないかぁ?」としか思えなかったよ。正直言ってこの映画に必要なエピソードだったの?単なる笑わせネタ?それにしちゃーあんまり笑えないよ?(苦笑) ・・・あ、そっか。タイトルが「イン・ザ・プール」だから、このエピソードを使わない訳にいかないか。ナルホド(自己完結)
何より、松尾スズキ氏の演技に頼り過ぎた「伊良部医師」のキャラクターに非常に違和感がありましたね。 まあ・・・映画として見るには彼の畳み掛けるよーなテンポの良さは魅力的ではありますが、展開が余りにも彼の演技に頼り過ぎてはいないか?と思わずにはいられない。 松尾氏の伊良部医師のキャラクターはそれはそれで面白いし、かなり笑わせてもらえたから文句言うのも筋違いなのかもしれませんが、やっぱり原作読んで楽しんでるとどうも乗れない。
原作を読んでいなければ、きっともっと楽しめただろうになぁ〜と思うと、原作を読んでいた事が悔やまれる。 個人的には原作の「マユミちゃん(色っぽくてつまんなそうな顔した看護婦)」が好きだったので、彼女の魅力が映画で余り引き出されていなかったのがちょっぴり悲しかったかな。 でもマユミちゃんの風貌はなかなか感じが良かったですよ♪・・・もっとエッチな白衣着て下さい!(笑)
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