2006年07月28日(金) |
花田少年史 幽霊と秘密のトンネル |
監督:水田伸生 出演:須賀健太 篠原涼子 西村雅彦、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 小さな港町に住む腕白少年「花田一路」は、トラックと衝突する大事故に遭い天国の階段を昇ろうとするが、セーラー服姿の美少女幽霊「聖子」に引き止められて奇跡的に蘇生した。ところが生死を彷徨った事がきっかけで、一路は幽霊の姿が見えるようになったのだ。幽霊達からお願い事をされたり「君の本当の父親はボクだ!」と名乗り出る幽霊まで現れて、一路は混乱しつつも幽霊達との交流がきっかけで「家族の絆」について考えさせられるようになるのだ。
【感想】 一色まこと氏の同名タイトルの大ヒットコミックを映画化。 ちなみに原作コミックを全くしりません。そして本作はTVアニメ化もされたという事らしいですが、その存在も知らない。 更に加えて言えば、ぴよは「しつけのされていない下品なガキは大嫌い」です・・・自分の子供の頃を思い返すと今の自分からかなり嫌われるガキだっただろうと思われますが、既に成人しているのでそんな昔の事は忘れました(をい)
まあ、そんな訳で原作の内容を全く知らずに鑑賞した訳ですが。 正直に言うと「なんだかなぁ〜」な作品でした。←またしても「結論攻撃」ですよ(苦笑)
そもそも主人公の「花田一路」が、ぴよの最も嫌うタイプのガキでした。 粗暴で生意気で可愛げのない、典型的な「貧乏でロクにしつけもされていない育ちの悪いガキ」の見本みたいなヤツ。 映画冒頭のクソ生意気な一路少年の様子を見て、既にイライラし始めています。かなりヤバい兆候ですね(笑)
ところが話が進んでくると、結構この状態から持ち直して来たりします。 色んなネタがてんこ盛りになっているんですが、小ネタは結構笑わせるし「ジーン」とさせるシーンもあったりする。 もっともジーンとさせるのは主人公の一路少年じゃなくて、一路の腰巾着みたいな幼馴染みの「壮太」なんですが。 壮太少年のエピソードはなかなかツボでした。借り物競争のシーンなんてマジでウルッと来ましたね。
まあ・・・でもそこまで止まりって感じですか。 そもそもこの映画はやっぱり子供をターゲットにしているんですよね? 少なくとも大人の鑑賞に堪え得る映像ではありません。溜息も出ませんよ。30年前に円谷プロが撮影した特撮の方がナンボかマシな気がするのはぴよだけではないと思いますネッ! クライマックス?の「幽霊父娘対決シーン」なんて、子供が見ても納得行かない稚拙な絵でしょう。
基本的には「親子の絆」や「友情」みたいなお子様推奨ネタのてんこ盛りな訳ですが、どーもしっくり来ない。 コミカルだし確かにジーンとするシーンもあるものの、「感動」からは微妙にラインがズレてる気がするのね。 何か非常にバランスが悪いって言うのか・・・多分映画冒頭のシーンを見た人のほとんどは「ALWAYS 三丁目の夕日」辺りをかなり意識するんじゃないかと思うのですが(実はこの作品未見なんですがね)、本作はあくまでも現代劇で、子供向けの道徳映画であって、それでいて何故かオカルトネタ。
てんこ盛り過ぎたんだろうなぁ〜と思いますよ。 日本人が喜びそうな要素を何もかも詰め込めば面白くなるだろう♪と、アレコレ手を出して繋ぎ合わせてみたものの、蓋を開ければ「どれもこれもパッとしない安っぽい100均ショップ」みたいな陳腐な詰め合わせ作品に仕上がっていましたとさ、みたいな感じでしょうか(苦笑)
この作品、アニメで充分だと思うなぁ。どーして実写版にしちゃったんだろう? しかも低予算の実写版でCG使う程痛いものはありません。誰をターゲットにした作品なのかもイマイチ判らない。 少なくとも「音響と映像のいい大スクリーン」で見るべき作品ではありませんね。DVDレンタルまで待ちましょう(笑)
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