監督:ジョン・ラセター 声の出演:オーウェン・ウィルソン(ライトニング・マックイーン) ポール・ニューマン(ドック・ハドソン) ボニー・ハント(サリー・カレラ)、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 カーレース最高峰「ピストン・カップ」の優勝決定戦に向かう若きレーサー「ライトニング・マックイーン」は、移動中のトレーラーからはぐれてしまい、後を追い掛けようとして迷い込んでしまったルート66沿いの田舎町「ラジエーター・スプリング」で気が動転して道路を破壊してしまう。道の舗装工事を命ぜられて足止めを食らったマックイーンは、そこで気のいい田舎町の住人と交流する事となるのだが・・・
【感想】 ピクサースタジオ製作最新作。本来なら「ディズニーと契約した最後の作品」と紹介するハズでしたが、その後のすったもんだの末にピクサーはディズニーの傘下に収まる事になり、結局は単なる「ディズニー×ピクサーの話題の新作」って事になっちゃいましたね(ちょっと残念な気がしなくもないですが・・・) 本作の制作・声優も担当している「ジョー・ランフト」氏が、本作の完成を見ずして不慮の事故(しかも自動車事故)でこの世を去ったというのも、何か因縁めいている気がするのはぴよだけなのか・・・本作のラストに「ジョー・ランフトに捧ぐ」という一文が添えられています。
そんなピクサーの新作は、キャラクターが全て「自動車」 オモチャを主人公にしたり、モンスターを主人公にしたり、魚を主人公にしたり、子供が喜びそうなキャラクターを次から次へと考え出すピクサーですが、車は流石にキツいだろー・・・と思ってたんですが(苦笑)
ひとまず映像に関して文句垂れる場所は1つもありません。 とにかく素晴らしい!相変わらず素晴らしい! 実写と見紛う程のクオリティの高い映像に、実写ではあり得ない車達のリアリティ溢れる感情表現の映像化。 CGアニメーションの最高峰は「やっぱ俺達ピクサーだゼ!」という事を、これでもかと見せ付けられた思いです。
話も相変わらず磐石。 新人ながら優勝候補まで昇りつめて鼻息の荒い「天狗状態」のレーシングカーが、ひょんな事から田舎町で気のいいヤツらと微妙に関わりながら「スローライフ」の素晴らしさを知ってしまう、という話。 鼻持ちならない「天狗野郎」なので今までロクに友達もいなかったマックイーンは、お人良しの田舎者と交流する内に友情の大切さを知ったり、他人を思い遣る事を知ったり、本当の意味での心の豊かさや愛を知ったりする訳です。
見せ方も構成も映像も相変わらず上手いので「大人も子供も楽しめる」クオリティの高い作りではあるのですが・・・正直言うと本作は余りぴよの好みではありませんでした。 そもそも本作のキャラクターが、どーにも「ピンと来ない」んですよ。 単純に「車」というキャラに対して「可愛い♪」と思えない。感情移入がし難いし「愛でる」対象にならない。 メッセージ的にはかなり「大人向け」だと思うんだけど、この「車キャラ」にどこまで大人が着いて来れるか・・・
後コレは作品のせいじゃないので感想として書くのはどうかと思うんだけど・・・本作は試写会で観たんですが、「字幕版」の試写会なのに明らかに字幕が読めない幼稚園児クラスのガキが大挙して「親子連れ」で来ていましてね。 当然のように字幕の読めないガキが「なんでレースしないのー?」「何言ってるのー?」って大声で騒ぐ、ぴよの隣のオヤジは映画中に何度も携帯のメールチェックをして明るい液晶画面でスクリーンの絵をジャマする(コレは流石に注意した)
映画鑑賞マナーの守れない、映画を普段見慣れない「クソガキ親子」が場内に多数いると、気が散って映画に集中する事が出来なくなるんですよね。いいシーンなのにガキはギャーギャー騒ぐは、隣のオヤジが携帯の液晶画面をパカパカ開いて明るくしやがって、あともう1回やったら「会場の外に出ろ!この薄らハゲ!!」って言いそうでしたよ(怒)
そんな訳で、著しく環境の悪い状態で見たので本作を正当に評価出来ません(涙)
「宇宙戦争」をパロッたり、愛と友情だけではなく「時間短縮」が命のように生き急ぐ現代人に「スローライフ」の大切さを嫌味なく提示してくれる、かなり大人向けのメッセージ性の強い秀作なのですが・・・「アニメ=子供向け」と決め付けて、字幕版に堂々とロクに文字も読めないガキを連れてくるバカ親の神経に腹が立って(そーいう非常識な親ってのは、やっぱり本人にも常識がないんだ!怒)、どーにもこーにも映画に乗れませんでした。
一般公開されたら、今度はガキのいないレイトショーの回でもう1度鑑賞しようと思います。くすん。
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