ぴよの映画めった斬りコーナー
ぴよが見た新作映画・ビデオ・DVDを個人的趣味でぶった斬るコーナー
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【ネタバレも含んでますので注意してねん♪】

2006年06月07日(水) 僕の大事なコレクション

監督:リーブ・シュライバー
出演:イライジャ・ウッド
    ユージーン・ハッツ
    ボリス・レスキン、他
オススメ度:☆☆☆☆−


【あらすじ】
ユダヤ系アメリカ人ジョナサンは「家族の物を片っ端からジップロックに入れて保存する」という変わった収集癖がある。ある日臨終間際に祖母から手渡された新たなコレクションは、「今は亡き祖父と見知らぬ女性」が写った1枚の写真だった。その写真の裏に書かれた「アウグスチーネとトラキムブロドにて」という言葉を頼りに、その見知らぬ女性に会いに行こうと、祖父母の故郷ウクライナに向かったジョナサンだったが・・・


【監督】
「スクリーム」シリーズやブロードウェイの舞台でも活躍している役者「リーブ・シュライバー」氏の初監督作品。
と言うよりも、映画ポスターをご覧になれば判るトーリ、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのフロド役、イライジャ・ウッド君の新作だと言った方が日本人には判り易いでしょう。
原作はジョナサン・サフラン・フォア氏が2002年に発表したベストセラー小説「EVERYTHING is ILLUMINATED」
ちなみに本作の主人公と同じ名前です。ってか原作者が自分の名前をそのまま役名にしたんですな。

あ、「主人公の名前と一緒」って書いたんですが・・・
映画を見ていると、イライジャ君演じる「ジョナサン」よりも、ジョナサンがウクライナで通訳兼ガイドとして雇ったインチキ英語を話す兄ちゃん・アレックスと、彼の爺さんで「自称・盲目」のドライバー・ボリスの2人の方が、明らかにキャラクターが立っていました。イライジャ君のキャラも雰囲気いいんだけどネ。

で、この全く噛み合ってない3人+「爺さんの盲導犬」というフレコミの凶暴な犬という組み合わせのロードムービー。
ちなみに犬の名前は「サミー・デイビスJr.Jr.」、しかもメス(笑)この「Jr.Jr.」がいい仕事してます。
予告編や映画冒頭の雰囲気だけだと「まったりヒューマン・コメディ@ロードムービー仕立て」だな、とほとんどの人が想像すると思うのですが(ぴよもそう思ってた)、意外な事に話が展開して来るとかなり重たいテーマの作品でした。

確かにほのぼのした雰囲気で随所に「ププッ」とさせるシーンが盛り込んであるものの、話が進んで来るとウクライナが背負っている・・・ウクライナで暮らしていたユダヤ人達が背負っている「悲しい歴史」に直面して行きます。
それはジョナサンの家族のルーツを辿る旅であり、そしてアレックスの家族のルーツを辿る旅になっています。

何故アレックスの爺さんは「ユダヤ人相手の『故郷探し』ガイド」を営んでいるのに、執拗にユダヤ人蔑視するのか。
そして「アウグスチーネ」のその後を知った翌日、何故爺さんはああいう「人生の選択」をしたのか。
・・・これこそが、この映画の最も奥深く、そして最も訴えたく、更に「日本人には理解し難い」部分だったろうと思います。
ぴよは、爺さんの悲しく苦しい過去とその後の人生、それからあの選択をした気持ちを思うと、胸が締め付けられました。

だから、ラストでアレックス家族があの服装(特にアレックス帽子に注目)だったのは、とても嬉しかったですね。
爺さんの思いが報われた、アレックスが自分のルーツを知って受け入れたのだ、と判ってしんみりしましたよ。

日本人には余り馴染みのない「ユダヤ人の歴史」がテーマになってますので、イライジャ君目当てで見に行くとちょっとアテが外れるかもしれないし、「途中まではコメディっぽくて面白かったのに、後半が訳わかんないしぃ〜」くらい言いそうな若い人も多いかもしれません。

でも、もし見て判らなかったら・・・この映画をきっかけに「ユダヤ人の歴史」を調べてみてはいかがでしょう?
そうすれば、この映画の心に沁みる後半部分が、益々奥深いモノとして刻まれるだろうと思いますね。







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