監督:樋口真嗣 出演:草なぎ剛 柴咲コウ 豊川悦司、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 潜水艇「わだつみ6500」のパイロット小野寺は、地球科学博士・田所の指揮下で同僚パイロットの結城と共に海底調査をしていた。調査の結果、海底プレートの沈降により約1年後に日本列島が沈没する事が判る。危険を呼び掛ける田所を他の科学者達は「妄言だ」と一蹴するものの、内閣総理大臣・山本は真摯に受け止め、危機管理大臣として鷹森沙織を任命し日本人を海外に緊急避難させる「D計画」を進めようとするのだが・・・
【感想】 小松左京氏の同名タイトル小説の映画化。 既に1973年に映画は製作されていて、本作はリメイクです。ちなみに73年版は見てませんが、原作は昔読みました。 コレを「ローレライ」のメガホンを取った樋口真嗣が監督、主人公・小野寺をツヨポンが演じる・・・び、微妙か?←をい
73年版を見てないので比べられないんですが・・・少なくとも原作とはクライマックス〜結末が大きく違います。 (その他の登場人物の設定等もかーなーりー原作と違うんですがね) 結末を変えるのは原作ファンにとっては噴飯モノかもしれませんが、2006年の今リメイクするなら、この結末でも問題はないんじゃないかなぁ?って気がしました。
って言うか、すっごく「恋愛&泣かせヒューマン」に偏ったドラマになってるんですよね。 原作のトーンとかなり違う。もっとグッと「婦女子ウケ狙い」に偏っていて、ちょっとあり得ないレベル(臭さ)のヒューマンドラマに仕上がってましたね。もしかしたら原作よりも本作の方が世間ウケはいいのかもな・・・
日本全国の主要都市が壊滅していく様子が最新映像技術で面白くいじくってあって(苦笑) 「おぉ!大阪は完全水没か」「函館の赤レンガ倉庫が!うっわー!」「あ。名古屋は結構残ってるねぇ」等と、自分が住んでる街やかつて旅行で訪れた名所がどんな様子になって行くのかを見るのはお楽しみの1つでしょう。 ・・・でも、基本的に映像加工技術はもう1つって感じかな。ちょっと安っぽい絵も多かったっすよ。(^-^;
何かバラバラと色んなエピソードを見せていて、根本的に「緊迫感」に欠けてるんですわ。 主人公・小野寺が「ぽよ〜ん」としてて一番緊張感が足りない。更に明らかに助からないレベルまで来てるのに、玲子の周囲は常に能天気に居酒屋宴会状態で、見てて和むっていうレベル超えてますね。結構イラ付きますよ(笑) それよりもあの惨状の中で「自分の命よりも他人の人命救助」を選ぶ玲子にイライラしましたよ。 ぴよは「他人よりまず自分の幸福を!」という人間ですので、全く理解の範疇超えてました。自分の命を捨ててまで守りたいモノなんて、ぴよにはありませんもの。「腐れ外道」とでも何とでも言って下さいよ。えぇ(苦笑)
ま、そーは言ってもドラマ部分はなかなか上手に作ってたと思いますよ。 かなりの確立で泣けるんじゃないでしょうか?最近のこの手の邦画の人間(恋愛)ドラマって、韓流映画の展開や見せ方に酷似して来ましたよね。 パターンが決まってて、そのパターンにハマってみんなで大泣き!みたいなお約束が出来てますね。 その「お約束泣きパターン」にハマれる人には最強でしょう。そしてハマれる人がかなりいるだろうと思われますネ。
そのパターンにハマれなかった(と言うか、既にすっかり飽きた)ぴよが「負けた」という事なんだろうな、と。 そもそもあの細腕の柴咲コウちゃんが「ハイパーレスキュー隊員」という設定で白けてましたもの。あり得ませんワ。
実は予告編を見た段階でかなり期待していた作品だけに、ちょっと意地悪な感想を書いてしまいました。 原作や73年版を楽しまれた方には酷評の予感ですが、全く新しい「泣かせヒューマンもの」として楽しめる方にはウケが良さそうな気がします。心配しないでハンカチ握って映画館に見に行って下さい(苦笑)
|