監督:是枝裕和 出演:岡田准一 宮沢りえ 古田新太、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 時は元禄15年徳川綱吉の泰平の世。松本から江戸に「仇討ち」の為にやって来た青木宗左衛門は、おんぼろ長屋で実家からのわずかな仕送りだけで父の仇の行方を捜していた。仇討ちに成功すれば名誉回復だけではなく、藩から100両の賞金が出る。ところが宗左は剣術がからきしダメで逃げ足だけは速いというヘタレ武士。そんな宗左は向かいに住む美貌の未亡人「おさえさん」に仄かな恋心を抱き、「仇討ちしない人生」がある事に気付いてしまったのだ・・・
【感想】 「誰も知らない」で世界中にその名を知られる事となった是枝監督の最新作。 意外な事に時代物に挑戦ですか・・・原作は誰だろう?と思って調べたら、何と原案・脚本も是枝氏でした。 ドキュメンタリー畑出身の監督さんがオリジナルで時代物って、どーいう心境なんだかよく判りませんが、もしかしたら名が売れて自分のやりたい事にお金出してもらえるよーになったら「絶対時代物!」とか思ってたんでしょうかね?(^-^;
話は泰平の江戸の時代に、長屋に住む貧乏人達と交流する内に「仇討ち」に疑問を持つようになったヘタレ武士と、長屋の住人達のドタバタ振りをまったり見せるヒューマンコメディ・・・って感じですかね。
出演しているキャストがすんごい豪華で、映画界の重鎮から中堅名優、若手人気役者までズラリと取り揃えて、それぞれに個性を生かしたキャラクターで観客を魅了して行きます。 コメディのタッチも「ぎゃははは!」ではなく「ププッ」という、日本人のお好みにピッタリ合う程度。最近邦画はまったり癒しコメディの秀作が多いですが、本作もそんな「まったり邦画」をご所望の方がいかにも喜びそうなゆるい展開です。
・・・って言うか、ぴよには「ゆる過ぎるな」と思ったんですが(苦笑) 仇討ちの為に江戸にやって来た地方武士と長屋の住人の1年(桜の季節〜年末まで)を見せているんですが、エピソードが多くてちっとも話が進まないって言うのかな。 いや、どーでもいいようなエピソードに見えて、実は少しずつ本題に近付いてはいるんだけど、どーも余りにもエピソードが回りくど過ぎて、見てる途中でダレダレになっちゃったんですよ。(^-^;
赤穂浪士の討入りと話を被せながら「仇討ちは本当に武士の本懐なのか?」とアピールしているんだろうけど、赤穂浪士の一団のエピソードは微妙だなぁ、ちょっとエピソードがクド過ぎるなぁ、と思いましたがね。 まあ・・・赤穂浪士の討入りの後に「夜中に奇襲掛けて、しかも老人1人に大勢で寄ってたかって卑怯だよ」なんてセリフが出て来たのには笑っちゃいましたが。んー、でもやっぱり「クドい」って気はしたかなぁ。
後ね、ちょっと音楽が耳障りだったかもしれない。 結構な大音量でBGMが入るんだけど(しかも妙に軽快なヤツ)、セリフに被るとセリフが聞き取り難い。ってか全然何言ってんだか判らないセリフが多々あった。コレはいかんよなぁ〜と思ったんだけど。
ゆるめの和みヒューマンコメディとしては「そこそこウケそうな出来」だと思うんですが、何かしっくり来なかった。 正直言うと、上映時間2時間7分がすんごく長く感じました・・・長く感じるって事は、途中で飽きてたんでしょうね。 飽きてはいたんだろうけど、役者の演技はなかなかいいので見て楽しんではいられる・・・うーん。微妙だぁ(苦笑)
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