2006年05月09日(火) |
グッドナイト&グッドラック |
監督:ジョージ・クルーニー 出演:デヴィッド・ストラザーン ジョージ・クルーニー ロバート・ダウニー・jr、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 1953年アメリカ。マッカーシー議員の過激な共産主義批判により、世間は「赤狩り」旋風が巻き起こっていた。報復を恐れて自由な意見を言えなくなって口をつぐむマスコミの中、CBSの人気ニュースキャスター「エド・マロー」はプロデューサーのフレンドリー他クルー達と一致団結し、「真実の報道」を追及する為にマッカーシーを真っ向から批判するのだが・・・
【感想】 ジョージ・クルーニー監督・脚本・出演で頑張りに頑張って、今年のアカデミー賞でも主要6部門にノミネートされて話題になった作品。(だけど結局ジョージは本作ではオスカー取れなかったよネ) 「エド・マロー」は実在したCBSのキャスターで、彼とクルー達の頑張りでアメリカの「赤狩り」が終結したと言われているんだそうですよ。ちなみにジョージはマローとタッグを組んで頑張ったプロデューサー・フレンドリー役を演じています。
1940〜50年代にかけて、アメリカで猛烈な共産主義批判と「赤狩り」があったという事は知ってる。 「知ってる」ってエラそーに書いてますが、実は以前「マジェスティック」という作品を見た時に初めて知って、その際に色々当時のアメリカの政治事情を調べてようやく理解したってのが真相なんですが(苦笑)
んな訳で本作。 非常に真面目に作られた「エセ・ドキュメンタリー」な作風。でも見せ方はドキュメンタリーとも言えないな。結構ぴよは好きな演出と言うか編集でしたね。きっとジョージと気が合うんでしょう♪←向こうは全くそんな気ないでしょうがネ(笑)
ただ、すごく真面目に作られててネタもお堅いので・・・日本では余りウケる類の作品ではないだろーなーと。
世間的には「面白味が全くない」と言われそうですが、ぴよはこの作品はかなり好きですね♪ 何しろエド・マローがカッコいい!当時はいつでもどこでも喫煙が当たり前だったから、エド・マローを始め登場する男性キャラはどいつもこいつも終始タバコを吸い続けている。 マローは番組出演中もゆったりとカウチに腰掛けて片手に紫煙をくゆらせ、鋭い切り口でナレーションしていく。 番組ラストのキメ台詞「グッドナイト&グッドラック」を言う時、最後にちょっと俯き加減になるのがシブ〜い!!
スタッフが番組翌日の新聞各社のコメントを凄く気にして一喜一憂してみたり、CBS経営陣やスポンサーとの軋轢等、誰もが信じて疑わなかった「自由の国・アメリカ」が「自由でなかった時代」の世相をかなり丁寧に見せてくれていたと思う。
映画冒頭と締めのマローの演説シーンは、1958年にシカゴで行われた報道番組製作者協会で彼がスピーチしたモノを再現しているそうですが、彼のジャーナリズムや報道への真摯な姿勢、それからTV報道が視聴率が取れるという理由で娯楽ばかりに傾倒していく危機感を切々と語る姿には「アンタ、漢(おとこ)だねぇ!」と声を掛けたくなりましたよ!
って言うかネ、 この作品って・・・今現在のアメリカの恐怖政治(←って言っちゃうぞーっと!)に対する批判映画ですよね?(^-^; かつてアメリカは「赤狩り」という名の下、国民やマスコミから自由な発言・思想を奪うという愚行を犯した。 そして2006年の現在、「テロ廃絶」の名の下でかつての愚行をまた繰り返そうとしている(ってか明らかに繰り返している)
イスラム原理主義のテロリストよりもアメリカ政府の方がよっぽど「過激派」に思えるのはぴよだけじゃーないでしょ。 そんなぴよに同調出来た「反・アメリカ」さんにはオススメします。それ以外の方には・・・どうでしょう?(^-^;
「面白いよー♪」とは絶対に言いませんが、興味のある方は是非見て下さい。←すごく消極的なオススメ(苦笑)
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