2006年05月08日(月) |
ブロークン・フラワーズ |
監督:ジム・ジャームッシュ 出演:ビル・マーレイ ジェフリー・ライト シャロン・ストーン、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 コンピューターで一山当てて成金生活を送る「かつてのモテ男」独身中年ドン・ジョンストンの元に、ピンクの封筒に赤い文字でしたためられた手紙が届いた。そこには20年前に別れた後に自分の子供を生んで、その息子が19歳になると書いてあったのだ。お節介な隣人ウィンストンに押し切られる形で、「母親探し」の為に20年前に付き合っていた彼女達の消息を追う事になったドンだったが・・・
【感想】 第58回カンヌ映画祭でグランプリを獲得した、ジム・ジャームッシュ監督最新作。 主演は「くたびれた中年を演じさせたらピカイチ」のビル・マーレイ。このくたびれオヤジが過去に付き合っていた女達の元を訪れるというロードムービー系なんですが、元カノ達が錚々たる顔ぶれですわ。元カノだけじゃなくてちょい役の女性もすんごい役者をバンバン使ってて、女優のラインナップを見るだけでも楽しめそう♪
と、かーなーりー期待していたんですが、コレは好みの別れそうな作りでしたねー。 少なくとも寝不足状態で見に行ってはいけない類でした。そしてぴよはすんごい寝不足でした(涙)
とにかく「ゆるい」の一言。 このゆるさがツボに入った方には最強でしょう。でもゆるい展開にゆるい音楽が被ると寝不足には辛い。 正直言うと、ドンが元カノを訪ねて行くまでの映画前半はウトウトしっ放しでした(涙)
でもいよいよ元カノ達を訪ねて行くようになると、結構「クスクス」笑えたりするんですよ。
この作品って、きっと女性よりも男性の方がウケが良さそうだよなぁ〜と思って見ていたんですわ。女性って新しい彼氏が出来ると昔の彼氏の事をケロッと忘れちゃう人が多いじゃないですか。 それに比べて、男性の方が案外未練タラタラのケースが多い。自分が振られた女だけに留まらず振った女の事もかなりよく覚えてて、「せめてアイツには幸せになって欲しいよなぁ」なんて、5年経ってもまだ元カノネタを「俺のモテ男伝説」みたいに酒の肴にしてる男がいたりする(苦笑)
実際映画の中でも、ドンはあれだけ元カノを訪ねていく事を渋っていた割には、元カノに昔送ったプレゼントをきちんと覚えていたり、当時の彼女の将来の夢を覚えていたり、自分が撮ってあげた写真を覚えていたり・・・かなりマメに色んな事を記憶してるんですよね。(ぴよなんて、昔付き合った男に何プレゼントしたか、まーったく覚えてませんヨ。苦笑)
この映画が「こーいうのって男のロマンなんだろうなぁ〜」と思ったのは、ドンが訪ねる「元カノ」達が全員がドンの事を鮮明に覚えていてくれてたという事でしょう。 再会を喜んでくれても、たとえ今もまだ昨日の傷のように恨まれていても、どっちにしろ「自分が影響を与えた女なのだ」と実感出来るというのは、男にとって悪い気はしないんじゃないですか? 自分がココまで鮮明に記憶している元カノ達が、自分を見ても名乗っても「で?アンタ誰よ?」って言われたら、そりゃー寂しいでしょ?やっぱり直ぐに「あら!ドンじゃないのー!」って言ってもらいたいでしょ?ってか、実は自分の事を覚えてもらえてて当然くらいに思ってるでしょ?
この映画見て、ドンに同調して郷愁に浸ってるそこのオニーサン!はっきり言うけど甘いわヨ(爆) アナタが過去に振った女も振られた女も、ほとんどがアナタの事を丸っきり忘れてますから!えぇ。キレイさっぱりネ!!
まあ、そんな訳で・・・一応「婦女子」を名乗るぴよには同調する部分は少なかったですが、世の男性諸氏のロマンを掻き立てる作品なのだ、と思えば「コレもアリですかね」と思ったのでした。 ラストの「ネタ放り出し」は、まあある意味「最近よくある手合い」って感じでしょうか。
このラストを酷評する方も多そうですが「結果を出すのが目的の作品ではない」と気付けば怒る気にはならないでしょ。
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