2006年04月23日(日) |
陽気なギャングが地球を回す |
監督:前田哲 出演:大沢たかお 鈴木京香 佐藤浩市、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 ある銀行強盗事件の現場に偶然居合わせた事で知り合った4人。他人の嘘が見抜けてしまう成瀬、1秒も違わぬ完璧な体内時計を持つ女・雪子、演説の達人・響野、そして生まれながらのスリの天才・久遠。この4人がマヌケな銀行強盗犯・朝倉を目にし「俺達ならもっと上手に銀行強盗が出来るのに」と思い、4人がそれぞれの特殊能力を生かし、「ロマン」を求めて前代未聞の銀行強盗を計画するのだが・・・
【感想】 人気作家・伊坂幸太郎氏が2003年に発表した同名タイトルのベストセラー小説を映画化。 原作が発表された当初から「是非映画化を!」という声が高く、一部ファンの間では映画化された際のキャスティング予想までして盛り上がっていたという逸話まであるそーだ。
そのキャスティング予想と同じ配役になったのかは判らないけど、とにかく豪華なキャスティング! 邦画・そしてTVドラマで確実に視聴率の取れる人気俳優達が顔を揃え、ほんのチョイ役に出演している役者も、「名脇役」と呼ばれるようなビッグネームをバンバン惜しげなく使っている。 そしてスリの天才・久遠を演じるのは故・松田優作氏の次男「松田翔太」クン。本作でスクリーンデビューだそうだ。
さて本作。 原作未読なので(←いつもの事)原作とどれくらい温度差があるのか判りませんが、確かにこのストーリーを書籍として読んだら「絶対に映画に向いてる!」と思うだろうなぁ〜・・・そんなスピード感とテンポの良さが心地いい作りです。 4人それぞれのキャラクターが魅力的で、ちょっとした会話のやりとりも気が利いていてコミカル。特に演説の達人・響野とスリの天才・久遠の会話はいいですネ♪この2人のHOT&COOLな組み合わせは絶妙です。 劇中使用されている音楽のチョイスも粋。軽妙な本作のテンポにすごく良く合ってる♪
かなりスゴイ特技なんだろうけど、実生活に何の役にも立たない能力。むしろ実生活に邪魔な能力が、それぞれ集まると凄く素敵な「ロマン」を生み出せるってのもいい。 実際は銀行強盗にロマンもクソもあったもんじゃないですが(苦笑)、無邪気で憎めないのがいいんですヨ。 佐藤浩市がいい狂言回しやってました。昔は全然興味なかったけど、佐藤浩市サンはいい役者さんになったよなぁ〜!
「特殊技能を持ったエキスパートを集めて犯罪ドリームチームを組む」という内容を考えると「オーシャンズ11」をほとんどの人が思い浮かべると思うんですが・・・でも本作の方が断然面白かったですよ。 「オーシャンズ11」に比べてずっと脚本がきちんとしていましたね。人間ドラマの部分やエピソードもよく練られていたし、何よりオーシャンズに比べて断然本作の方が個々のキャラクターが立っていた。 きっと11人も集めなかったのが正解だったんだろうと思いますよ(笑)
ちょっと説明不足な感のあるエピソードもあるし、どんでんオチはかなりの確立で先が読めるんですが(苦笑)、全体としてすごく良くまとまっているしテンポが良くてきちんと楽しめる。見てて単純に心地いいです♪ 「心に残る名作」という類ではないので、お軽くデートムービーとして楽しむのにうってつけの一本。オススメですよ♪
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