2006年04月20日(木) |
アイス・エイジ2(日本語吹替版) |
監督:カルロス・サルダーニャ 声の出演:太田光(シド) 竹中直人(ディエゴ) 山寺宏一(マニー)、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 約2万年前の地球に「地球温暖化」の波が押し寄せ、氷河期はもはや終わろうとしていた。谷に住む動物達は氷が溶け出してパラダイスを大満喫中!共に冒険をした事で深い友情で結ばれたナマケモノのシド、サーベルタイガーのディエゴ、マンモスのマニーの3匹も、それぞれ悩みを抱えつつこの谷で仲良く暮らしていた。ところが谷を守っている氷壁にヒビが入っている事に気付いた3匹。このままでは数日後に氷壁が割れて水が谷に流れ込んで沈んでしまう!
【感想】 「アニメーションはジブリとディズニー(ピクサー)だけのモノじゃない!」と、20世紀フォックス社が巻き返しを図って大ヒットを飛ばしたドル箱お子様向けアニメ「アイス・エイジ」のPart.2 日本では観客動員数ベスト10を見ると、いつも上位はお子向けアニメが占めている。映画は大人ではなく子供を対象にした方が圧倒的に観客動員数も興行収入も望める訳だ。 でもそれは映画の都・ハリウッドでも同じなんだろうか?本作もアメリカで公開されるやバカ売れしてるらしいです。
もっとも最近のアニメーションは、お子様対象であるものの「大人の鑑賞」にも堪え得るクオリティの高い映像を提供してくれていると思うし、脚本や演出等もかなり大人の目を意識したモノが増えてきていると思う。
と、ちょっと映画感想から脱線しましたが・・・
本作、映像は前作同様に非常に質の高い仕上がりになっていると思う。 水の動き、動物達の波打つ毛並みのリアルな動き、そしてコミカルなスクラットの様子も磐石。背景に多少荒い部分もあるものの、取り立てて非難する程のモノではありません。
それにしても、内容がもーちょっと何とかならんかねぇ(溜息) 脚本が根本的に面白くないですよ。たかだか1時間半程度の上映時間が長かった事、長かった事・・・お子様向けなのは百も承知していますが、それにしてもこの話では子供だって退屈して居眠りコキそーですよ。 スクラットがいなかったら間違いなく眠っただろうと思う。製作サイドも脚本がつまらない事を自覚していて、敢えてスクラットのシーンを増やしているとしか思えませんヨ。
決して悪い話じゃありません。むしろとってもいいお話です。 でも前作に比べて、明らかに脚本の質が落ちた。前作では「人間と動物」という関係も描いていて、単なる動物友情モノだけにしないで大人でも感動出来る奥行きがあったと思う。 だけど本作は動物だけのファンタジー世界にまとめて、グッと対象年齢を下げている。「楽しませる」事に重点を置いて話の中から何かを考えたり感動するような広がりを見せてくれなかったのは痛い。
それから前作では非常に魅力的に描かれていた各々のキャラクターも、本作では既に仲良くなっちゃった仲間同士なので、キャラクターも没個性的になってお楽しみが少ない。 特にディエゴなんて前作ではハラハラドキドキさせてすっごく魅力的だったのに、本作では気の抜けたソーダみたいに甘ったるいだけの日和見オヤジになっちゃってガックリ来た。 新しいキャラクターを入れる事で、ぬるま湯状態のキャラ構成に活を入れているつもりかもしれないが、正直言ってフクロネズミ兄弟とヒロインマンモスは、それほど魅力的なキャラだとは思えなかった。
そこそこ楽しめますが、「すっごく面白かった!」とオススメする気になれない・・・ 映像は確かにキレイですので、スクラットと映像を楽しむと割り切って見れば、平均点は取れる作品になってると思う。
でも「続編」は前作以上のクオリティを求められて当然ですから。映像だけじゃなくて脚本もネ。
|