2006年04月18日(火) |
リトル・イタリーの恋 |
監督:ジャン・サルディ 出演:アメリア・ワーナー ジョヴァンニ・リビシ アダム・ガルシア、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1950年代、南イタリアの貧しい村で過ごすロゼッタの元に一通の手紙が届いた。その手紙にはオーストラリアに移民したアンジェラという男性の写真と、彼からの真摯な求婚がしたためてあったのだ。アンジェラの写真を見て一目惚れしたロゼッタは結婚を承諾、不安を抱えつつも写真のアンジェラと自分のラブストーリーを空想しながら海を渡ったのだ。ところが写真はアンジェラのものではなく、容姿に自身のないアンジェラが弟ジーノの写真を送っていた事が現地に着いて発覚する・・・
【感想】 「シャイン」「きみに読む物語」等で観客を泣かせまくった脚本家ジャン・サルディが、初めて自らメガホンを取ったという鳴り物入りの一作・・・と書く程話題にもなってないみたいなんですが(苦笑) 監督自身がイタリアからオーストラリアに移民した家庭だそーで、自身の思い入れの強い作品になっていると思う。
「移民」というのは物凄く結束が固い・・・というイメージがある。実際そうだろう。 更に「イタリア」というと「=ファミリーの結束」というイメージ。これはマフィア映画の影響?だけでもないよね? そんな訳で、本作は「イタリア+移民」というダブルパンチに結束の固い兄弟の恋愛模様を題材にしている。
・・・って言うか、予告編を見た段階では「ラブストーリー」先行の話だと思っていたんだけど(邦題もそれを連想させる)、実際に見てみると決してラブストーリーが主題だとは言えない。 むしろラブストーリーを下敷きにした「兄弟愛」がテーマになっている作品だった。 原題が「Love's Brother」なので、恋愛モノじゃなくてファミリー・ヒューマンだと考えていいんでしょうね。多分日本で公開するのに「兄弟愛」というタイトルでは客が入らないのは判りきっているので、「ラブストーリー」なのだと勘違いさせようと気の利いた邦題を付けたんでしょう。
ラブストーリーじゃなくても全然OKなんですが、それにしても平坦で薄い展開とストーリーです。 イタリア移民達の結束、そしてアンジェラとジーノの兄弟愛についてとても丁寧に描かれているとは思うものの、もうちょっとハメを外してコミカルに見せてくれてもよかったんじゃないか?という気はします。 多少は笑わせてくれるものの、基本的にかなり真面目に作られているので印象はどうしても薄くなる。
役者の配役もいいし演技も申し分ない。でも話の展開同様「余りに華がない」 A級の配役、A級の脚本、A級の展開だと言ってもいいくらい丁寧な作りの作品なのに、全く面白味を感じないってのはいかがなモノなんだろうか? 真面目に生きてきた事だけが取り柄のような兄アンジェラが全くモテないのに、お調子者で口達者で容姿のいい弟ジーノの方がウケる、という本作の内容と何か被っている気がするのはぴよだけだろうか?(苦笑)
結構ジーンとする「いいお話」だと思うんだけど、何かが足りない。今ヒトツ面白味を感じさせてくれない。 決して見て損はないけど、進んで「みなさん劇場に足を運んで下さい!」とオススメ出来るパンチもない。 音響や映像美や派手なアクション等の「スクリーン任せ」な作りではないので、DVDレンタルでおうちでのんびり見ても充分楽しめる作品・・・むしろおうちでまったりと楽しんだ方がお似合いの作品だと思うのよネ(苦笑)
ロゼッタが手紙の内容(実)よりも写真(見栄え)に恋したってのは・・・というツッコミは敢えてしませんヨ。 やっぱり人間の第一印象は「容姿」でしょ。容姿でふるいに掛けてから、ようやく「中身」を見てもらえる。 「心栄えさえよければ美醜は関係ない」なんて事、散々世間で辛酸を舐めて来たデブスのぴよには通用しませんヨ(笑)
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