2006年04月04日(火) |
ブロークバック・マウンテン |
監督:アン・リー 出演:ヒース・レジャー ジェイク・ギレンホール ミシェル・ウィリアムズ、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 1963年ワイオミング州ブロークバック・マウンテン。この地の農牧場に季節労働者として雇われたイニスとジャックは、キャンプをしながら羊の放牧管理をするという過酷な労働の中、次第に精神的にも肉体的にも強く結ばれて行った。仕事が終わり山を下りた時、何の約束もせずに別れた2人。それから数年後、互いに妻と子供を持って平穏に暮らしていたが、ある日イニスの元にジャックから絵葉書が届き、そして再会した2人はお互いの気持ちをはっきりと悟るのだった。
【感想】 4月4日は「オカマの日」ですよー!って子供の頃に言いませんでした? んな訳で、本作を観るのにうってつけの日だ!と思って鑑賞・・・ウソウソ。ってかオカマとゲイって微妙に違いますネ。 言わずと知れた今年のアカデミー賞で最も注目されていた作品。作品賞間違いなし!と思われてたのに、「クラッシュ」にサックリと持っていかれて何ともお気の毒な感じでした(苦笑)
てな訳で本作。 いきなり結論書きますが、「フツーのメロドラマ」にしか見えなかったんですよ(^-^; いや、ゲイの恋愛モノってだけでかなりキワモノ感は高いんですが、普通のメロドラマでしょ。ただの不倫モノでしょ。
確かに60年代のゲイ事情を鑑みると、相当の障害があっただろうと思われます。 2006年の現代だってゲイの市民権は完全に得られた、とは決して言えない。ましてやあの時代のゲイはさぞかし苦労が多かっただろう事は考えるまでもありませんわね。 特にゲイに対してトラウマを持ったイニスにとっては、さぞかし苦しい事だっただろうと思う。映画中でもイニスの精神的苦悩を非常に丁寧に見せているし、イニスを演じたヒース・レジャーの演技も秀逸だった。
でも、コレが普通の男女の不倫物だと考えると、取り立てて面白い話でもないような気がする。 むしろ本作は「ゲイネタ」だったから話題になっただけで、もし普通の男女の不倫物として描かれていたら、これ程世間で持ち上げられる事もなく、「ブロークバック・マウンテンのシーンの美しさは素晴らしいが、話の内容としてはありふれた2流メロドラマですネ」と言われる程度で、日本では単館上映で2週間公開打ち切り・・・位の扱いになったんじゃないかなぁ?と思ったんですよ。
ゲイだったから崇高な愛なのだ・・・と勘違いする人が多いような気がしますね。 作品自体の持つ「人間愛」としての描き方はかなり好感が持てるんだけど、どうしてゲイなんだろ?別にゲイの恋愛にしなくても人と人の魂が呼び合うような崇高な愛は、アン・リー監督の手腕があればいくらでも描けただろうし、これだけ美しいブロークバック・マウンテンの雄大な風景をバックにして、何故ゲイネタじゃなければいけなかったのか?
でも・・・考え方を変えると、「ゲイネタ」だったからこそ「普通の不倫モノ」が「人間の魂が呼び合う崇高な愛」だと観客に思わせる事が出来たのかもしれないよなー・・・とも思えますわね。 もし観客の反応をそこまで想定して、敢えて「ゲイネタ」にしたんだとしたら、アン・リー監督は相当の策士だと思うし、事は全て彼の思惑通りに進んだという事ですわね。 まあ確かに・・・本作がただの男女の不倫物だったら、ぴよもわざわざ映画館に観に行かなかったと思うしなぁ。
見せ方も巧みだし、映像もキレイだし・・・逆にゲイに拒否反応のある人が観た方が感動する可能性高いかもしんない?
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