2006年03月15日(水) |
南極物語(2006・米国) |
監督:フランク・マーシャル 出演:ポール・ウォーカー ブルース・グリーンウッド ムーン・ブラッドグッド、他 オススメ度:☆☆+
【あらすじ】 米国科学財団・南極基地で働くジェリー・シェパード他隊員は、南極に記録的な猛吹雪が来るという報告によって、強制的に全面退去命令を受けた。8頭の犬はヘリに乗らないので、自分達を移送した後に直ぐ助けに戻るというパイロットの言葉を信じて「必ず戻るから」と犬達に声を掛けてその場に残して基地を後にしたジェリーだったが、予想外の悪天候に基地に戻れなくなって犬達は鎖に繋がれたまま置き去りにされてしまったのだった。
【感想】 1983年に日本で公開されるや、記録的な大ヒットとなった実話を元に製作された感動作「南極物語」を下敷きに、ディズニーが製作した新作お子向け動物感動映画。 83年版は昔見た記憶があるんだが、ほとんど覚えてないかも・・・でもこの映画を見ていない人でも「タロとジロ」の話のあらましは日本人なら(ある程度以上の年齢の人なら)ほとんど知っている事でしょう。
んな訳で、本作。 大まかなあらすじ「南極から引き揚げる時に犬を置き去りにする→ようやく戻ってくると犬が生き残っていた」という部分は確かに同じなんですが、随分83年版を見た時に感じたモノとは印象が違っているなぁ・・・という感じですか。 83年版を見た時に感じた悲壮感というのは微塵も感じさせない、非常にカラリと明るい楽しい感動物語になってました。
明るく楽しい感動物語でも別に悪くはないんですが、何と言っていいのか・・・現実味がまるでないわね(^-^;
そもそも、事実は15頭中2頭しか助からなかったのは日本人ならご存知でしょう。2頭生き残っただけでも奇跡です。 ところが本作ではほとんどの犬が生き残ってしまう。いや、生き残って万々歳なんですが(苦笑)、事実を知っている日本人が見たらほとんどの方なら映画を見ながら「次はどの犬が死ぬんだろ?」「どーやって死ぬんだろ?」くらい思いながら見ても不思議じゃないと思うんですが。 ・・・そう思いながら(←半ば犬が死ぬシーンを期待しながら?)見てるぴよって人間終わってますか?(涙)
犬を置き去りにして帰って来ても、あれだけ動物愛護に口うるさい全米の皆さんは誰もジェリー達を責めないし、犬を置き去りにして来た事を悔やんでいるのはジェリーだけで、他のメンバーだって南極にいた時には散々犬ゾリのお世話になっていただろうに、まるで他人事のような顔でジェリーを慰めたりしちゃいます。 別にジェリー1人のせいじゃないだろうに、どーして他のメンバーが全く責任を感じないのか不思議で仕方ない。
無責任で能天気なアメ公(←だから差別発言だっちゅーに。苦笑)と、カンボジアの子供よりも生存率の高い犬達。 コレで悲壮感なんて感じたらタロとジロに申し訳が立たない(笑)
無茶苦茶書いてますが、映画自体は結構面白かったですよ。←何を今更 きっと次々と犬を殺してしまうと「子供達に動物の悲惨な死に方を見せるのは良くない」とか、それこそ動物愛護団体からクレームが付くのを恐れて「ワンコの楽しいサバイバル生活」を芸達者なお犬様を駆使して見せる事で、観客を楽しませようという趣向に変えたのでしょう。 芸達者なお犬様達はエサがなくてサバイバルしてても丸々と太って実に愛らしいですしネ(苦笑)
「楽しい動物映画」としては充分及第点の付けられる作品でしょう。 ただ本作を見た子供達が「犬って結構厳しい状況下でも生きられるんだねー」なんて勘違いして、エサをロクに与えなくなったり平気で置き去りにして捨てるようになったら困っちゃいますがネ ←嫌味・・・ですかネ。やっぱり(笑)
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