2006年03月07日(火) |
真救世主伝説 北斗の拳 ラオウ伝 殉愛の章 |
監督:今村隆寛 声の出演:宇梶剛士(ラオウ) 阿部寛(ケンシロウ) 柴咲コウ(レイナ)、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 核戦争で世界が滅びた近未来。そこは暴力によって支配された暗黒の世界だった。1800年の歴史を持つ北斗神拳は一子相伝を守り続け、長兄ラオウ、次兄トキ、末弟ケンシロウの中で伝承権がケンシロウとなった時、兄弟は別々の道を歩む事になったのだ。幾多の悲しみを強さに昇華させたケンシロウは真の伝承者として成長し、トキは北斗神拳を医術として生かすべく戦いを捨てた。そしてラオウは北斗を離れ、武力と恐怖こそが秩序をもたらすのだと信じて戦い続けるのだった・・・
【感想】 コミック、TVアニメ、そして今ではパチンコやスロットの機種でも御馴染み「北斗の拳」の劇場版新シリーズ。 この劇場版シリーズでは(全部で5作製作される予定らしい&内2作は劇場版ではなくDVDのみ?)コミックやTVアニメ版では語られなかったエピソードを取り上げ、今までとは違った視点で見せていくという手法を取っているようです。
ネタはコミック版で言うトコロの、ケンシロウとサウザーが対決する「聖帝十字陵編」がベース。 でも原作やアニメ版のようにケンシロウの視点ではなく、兄ラオウの視点が中心にネタが語られ、何故ラオウが孤独な覇道を行かなければならなかったのか?そして今まで語られる事のなかった「ラオウの愛」にスポットを当てて見せようという趣向らしいんですが・・・それほど「ラオウが主役!」って感じはありませんがネ(苦笑) 確かに序盤とクライマックス以降に取って付けたようなラオウエピソードが入るんだけど・・・意味あんのか?(^-^;
そもそもこの映画、どの年層をターゲットにしているのか不明なんですよ。 原作コミックやTVアニメ版をリアルタイムに見ていた人達をターゲットにするにはツッコミドコロが多過ぎますし、北斗の拳を知らないお子ちゃまor全く今までこのシリーズを見た事がない人では、冒頭の柴咲コウちゃんのヘタクソなナレーションをつらつらぁ〜っと聞いただけでは、絶対にこの話の世界観や人間関係が判らないと思うんだけどなぁ。
多分原作ファンの人の多くは「サウザーに全く魅力がない!彼の生い立ちを何故見せないんだ!」とツッコミ入れる事は間違いがありません。実はぴよはコミック全巻持ってたんですよ・・・コレはかなり悲しかったですね。 コミックには登場しないレイナ(しかも声はぴよが大嫌いな柴咲コウちゃん)を引っ張り出して来て、愛も情も捨てたハズのラオウにも実はうるるん♪なおねーちゃんがいたんだよーん!みたいなクソネタをカマすくらいなら、その時間の半分を割いていいからサウザーの生い立ちを描けってーのっ!!
ってか、この作品・・・根本的に絵がダメダメなんですよ。 キャラクターの原画担当したヤツ、出て来い!絵がヘタクソ過ぎるんぢゃいっ!! 特にレイナの顔、ヒドいもんですよ。カット毎に顔が全く違いますもの。かなり彫りの深い「原作風」だった顔が、シーンが変わるといきなり地味な日本人顔になったり同人誌おたくが描きそうなロリロリ嬢みたいな顔になってたりする。 当然だけどケンシロウの顔も変幻自在。子供達の顔なんてみぃーんな同じなのよ。お前らクローンかよっ?!(笑)
更に吠えさせてもらうと・・・ラオウの声がなぁ。 ケンシロウの声をやった阿部ちゃんはかなりイメージ通りだった。でもラオウの声をやった宇梶さんが、どう聞いても宇梶さん以外の何者でもないんだもんなぁ。 いや、宇梶さんが声を当ててるから当然宇梶さんなんだけど(←何言ってんだ)、それをそうと悟られないくらいラオウになり切って、「ラオウ」として誰もがその声を認識しなくては「声優」として失敗でしょ。 柴咲コウちゃんはどーでもいいや。キャラクターのイメージだと戸田恵子サン辺りにやって欲しかったかな。
まあそんなこんなでツッコミまくってどーしよーもないんですが、割と話の筋はしっかりしてますので、意外にホロリとくる場面もあったりして、そこそこお上手に話はまとめていると思います。 でも・・・原作ファンには物足らないと思うなぁ。そして北斗の拳を知らない人には判らないだろうなぁ(苦笑)
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