監督:ピーター・ジャクソン 出演:ナオミ・ワッツ ジャック・ブラック エイドリアン・ブロディ、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 1933年NY。野心家の映画監督カール・デナムは、かつてない冒険映画を撮って映画界をあっと言わせたいという野望を持っていた。海図にも載っていない幻の島の地図を手に入れたカールは、脚本家のジャックと町でスカウトした新人女優アン他クルーを伴い、半ば騙す形で船を出航させた。苦労の末辿り着いた幻の島「スカルアイランド(髑髏島)」で、彼らは未知の世界に遭遇するのだが・・・
【感想】 「ロード・オブ・ザ・リング」でオスカー総なめにしたピーター・ジャクソン監督最新作。 色んなサイトやBlogで既にこの作品のあらましについては説明がされているので、今更ぴよが書くまでもないよね? 既に鑑賞した友人達からは、酷評する程でもないけど絶賛はしない・・・が、エピソードがダレるし長過ぎる、という非常に微妙な評価をされているので、「つまんなかったら3時間超の上映時間は余りに辛いな」と危惧しながらも鑑賞。
いやぁ・・・凄かった! 世間的には評判イマイチなんですか?ホント?長過ぎる?まあ確かに端折れるエピソードはあったと思うけど、ぴよはこの映画の上映時間はあっという間の出来事でしたよ。
スゴイですよ。本当にこの映画はスゴイ! 「映画」の「映画」たる要素全てを網羅した、非常に完成度の高い「娯楽映画」になっていたと思いますよ。
映像へのこだわりは、既に「LOTR」シリーズをご覧になった方なら折込済みの事でしょう。 それにしても、判っていながら尚驚愕してしまう!リアル過ぎる映像でありながら全くリアルでない設定をクリアして観客を魅了するというのは、とても矛盾していて難しい事だと思うんですよ。 それをこの作品は見事にやってのけてしまっている。って言うか、島の生物気持ち悪過ぎ(苦笑)
キング・コングの動きや表情・演技(←演技って言っていいよね?)も、素晴らしかった。 心を持ったコング・・・ただの獣ではない、誰かを愛したり怒ったり喜んだり悲しんだり、そして美しいモノを見て「美しい」と感動する「心」を持ち、それをアンと共有して共感し合う姿には本当に心打たれましたね。 アカデミー賞の主演男優賞にキング・コングはノミネートしちゃーいかんのかね? あ・・・ゴリラだから「男優」にならんの?じゃあ今年だけでもいいから「主演男獣賞」ってのを作ってヨ!(^-^;
ナオミ・ワッツの演技も良かったし、彼女の設定が決してコングに魅入られてしまった悲劇の軟弱な乙女ではなく、プライドの高い強く勇気ある女性として描かれているのも好感が持てた。 ただ軟弱な乙女なだけじゃ、あのキング・コングと心通わせるのは難しいと思うし。
コングと少しずつ心を通わせて行くくだり・・・特にぴよが好きなのは、島で恐竜とコングとの三すくみになったシーン。 コングは怖いが今まで自分を殺さずにいてくれた。恐竜は間違いなく自分を食べる。コレはもしかしたらコングは私を助けてくれる為に今ここにいるのかもしれない・・・そういう動揺と恐怖がない交ぜになりながら「究極の選択」を強いられた彼女の心理状態を、ナオミは凄くリアルに見せてくれた。でも、絵的にはかなり笑えると思うんだけどサ(笑)
好きなシーンを全部取り上げていたらキリがないけど、とにかくピーター・ジャクソン氏の1933年製作オリジナル版に対する愛と敬意が溢れた、素晴らしい映画だと思いますよ。 キング・コングというキャラクターが一際輝く・・・ラストシーンはマジ泣きしましたねぇ。 所詮「サル」ですよ。サルの目を見て泣くぴよってどーなのヨ!?と思いつつも、泣けて泣けて仕方なかったですねぇ。
ただ、やっぱり「こだわり」も過ぎると着いて行けない人は多いだろうと思う。 島内ザクザク登場する謎の虫や生き物は「もう頼むから勘弁してくれー!」だったし(苦笑)、数年前に不法乗船していたという少年のエピソードもバッサリ切っちゃってもよかったような気がする。 ここらのエピソードをもう少しだけタイトにして、せめて上映時間を2時間59分にしてくれればなぁ・・・
上映時間が「3時間超」というのと「2時間59分」というのでは、見る方のストレスが随分違う気がするのだ。 ほら・・・21,800円の服は高い気がするけど、19,800円の服ならお値打ちかなって思うじゃん?あんな感じヨ(笑)
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