2005年12月02日(金) |
エンパイア・オブ・ザ・ウルフ |
監督:クリス・ナオン 出演:ジャン・レノ アーリー・ジョヴァー ジョスラン・キヴラン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 パリのトルコ人街で猟奇殺人の3人目の犠牲者が発見された。被害者は全て不法滞在のトルコ移民の若い女性で、顔が判別不可能なほど切り刻まれていた。事件を担当する若手熱血刑事ポールは、トルコ人街の裏社会に精通するものの汚職の噂が絶えないシフェール刑事と組んで捜査を進める。一方、高級官僚の妻アンナは記憶障害で悩んでいた。夫との記憶がなくなって動揺するアンナは、ある日恐ろしい事実に直面する事になる。
【感想】 「クリムゾン・リバー」の原作者ジャン=クリストフ・グランジェ氏の小説を、またもやジャン・レノ主演で映画化。 本作も「クリムゾン〜」同様、ベテラン刑事ジャン・レノと若手“可愛い”熱血刑事のコンビで捜査するバディ・ムービー仕立てになっていますが、本作のジャン・レノは善玉なのか悪玉なのかちょっと判別の付かない面白い役ドコロ。
映画は「トルコ人街猟奇殺人事件」と「高級官僚の美人妻記憶障害事件」という2つのネタを交互に同時進行で見せて、お約束通りその2つのネタが絡んで1つにまとまったトコロで話がクライマックスに突入するというサスペンスな作り。
この2つのネタというのが、どちらも甲乙付け難いくらいよく練られた設定でしてね、1つのネタだけで1本充分サスペンス映画として作れちゃうくらいのボリュームを持っています。 途中まで何がどー絡んでくるのかさっぱり見当も付かなかったんですが、美人妻の記憶障害ネタが進んで来たトコロ辺りで一気にネタがヒートアップして、「おぉ!そー来ましたか!!」という驚きの展開を見せてくれるトコロなんざぁ〜サスペンス好きのぴよには嬉しかったですねぇ♪
と、手放しで誉めちぎりたいんですが、どーもしっくり来ません。←あ。今日も吠え出したネ?(^-^;
とにかく説明不足ですよ。 公式サイトにも記載されているのでネタバレではないと思うので書きますが、本作はトルコの政治秘密結社「灰色の狼」をネタとして扱っているんですが・・・日本人でこの「灰色の狼」の存在、それから彼らのやっている事について興味があるorご存知の方というのは一体どれくらいいるんでしょうか?
ご当地フランスでは(←トルコ人不法移民問題は随分前から取り沙汰されてるしネ)誰もが知っていて興味のあるネタなんだろうと思うのですが、背景の判らない日本人が見るには余りに説明不足過ぎて・・・かなりの見せ場があるのですが、物凄くあっけない印象になってしまったというのはいかがなモノだろうか。
2つのネタのどちらもボリュームのあるネタだったが為に、満腹感よりもお腹詰め込み過ぎで胃もたれしたって感じ。 どちらか1つだけのネタをもっと掘り下げて1本の映画にするとか、はたまた同じ話に収束していく違うアプローチからの2本の映画を同時進行で製作して「2本同時公開!」なんてネタにしたら逆に面白かったかもしれない。 とにかくこの2つのネタを詰め込んで1本の作品にするには、ちょっとボリュームがあり過ぎた。
もっと面白くなっても良さそうな内容なのに、胃もたれして消化不良起こして、そして下痢。←コラ そんな尻つぼみ感のある「スッキリしない」印象になってしまいました。残念っ!
|