監督:パク・チャヌク 出演:イ・ヨンエ チェ・ミンシク キム・シフ、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 幼児誘拐殺人事件の犯人として13年間服役していた彼女は、その天使のような容貌と慈愛に満ちた行動で、同じ服役囚人達から「親切なクムジャさん」と呼ばれていた。だがそれはクムジャの復讐劇の序章に過ぎなかったのだ・・・「親切なクムジャさん」とは、無実の彼女を殺人犯に陥れた「パク先生」への壮絶な復讐への布石だったのだ。
【感想】 「復讐者に憐れみを」「オールド・ボーイ」に続くパク・チャヌク監督の「復讐3部作」の最終章。 「復讐者に〜」は見ていませんが「オールド・ボーイ」を見て、その余りに冷酷で情け容赦ない復讐劇に猛烈な嫌悪感を覚えたものの、作品の完成度には絶賛するしかなかった・・・となると、パク監督の「復讐3部作」の最終章だと言われる本作を見ない訳にはいかないでしょう!
と、ものすごーく期待をして見た本作ですが、正直言ってかなり肩透かしを食らった感じでした。 ↑ だから最初に感想の結論書いちゃうと、後が書き辛いヨ!ってな(苦笑)
「親切なクムジャさん」を演じるのは、その清楚な容貌で固定ファンも多いイ・ヨンエ嬢。 実言うとぴよも彼女の事が結構好きなので、更に期待してしまったんですよね・・・言っちゃ〜何だが、何故この役をわざわざ彼女が演じなきゃいけなかったのか、見終わった今でもよく判らない感じですよ(^-^;
天使の容貌の彼女が悪魔のごとき復讐劇、というギャップが本作の見ドコロなんだろうというのは痛いほど判ってるつもりなんですよ。判ってるつもりなんですが、ムリしておっかないメイクと表情を作っても違和感バリバリなんだよね。 そもそも殺人の濡れ衣を着せられた挙句に我が子までも取り上げられてしまったというのに、全体的にクムジャさんの様子からは到底「何が何でもこの男に最大限の復讐をしてやるんだぁー!」という気迫が感じられない。
彼女の私恨が最大限の復讐の原動力になっているハズなのに、肝心の復讐劇に突入すると、何故か自分では手を下さずに周囲を巻き込んで「皆さんの復讐と手助けする、ちょっと正義の味方ちっく」な様子に終始しているというのは、どーもしっくり行かないっていうのか・・・
クムジャさんが服役中にどんなに「親切だったのか」というシーンをチョコチョコと挿入していくのが、出所後に服役時代の仲間がどうしてこんなにクムジャさんに肩入れするのか?という理由の説明なのは判るんだけど、別に話の筋として特に生かされる訳でもなく、ただ時間が冗長に延びるだけで余り効果的だとは言えない。 そこから後の彼女の復讐シーンとのギャップを楽しませようという意味があったんだとしたら、何故肝心の復讐シーンを彼女主導にしないで「他人任せ」にしてしまったのか、と。
ただ、クライマックスの「復讐シーン」の見せるようで見せない、見せないよーでグログロと見せるという、猛烈な感じの悪さは誰が見ても吐き気モノで一見の価値アリです♪←これは勧めてるんでしょうか?吠えてるんでしょうか?(笑)
「オールド・ボーイ」と同様、本作も「面白いか?否か?」という評価ではなくて「どれだけ不快になれるか?」というのがキモの作品なので(不快になれればなれる程勝ち組という、何とも不気味なジャンル) そういう意味では「不快指数100%間違いなし!」の太鼓判なんですが〜・・・
どーも間の悪い作品、という印象でしたね。 作為的に時間軸を狂わせて、現在と過去をバラバラに見せて繋いで行くんですが、余り効果的とは言えない・・・ドコロか逆に話の筋と主題を判りにくくさせているような気さえしましたね。
コレがあの「オールド・ボーイ」を作った監督の3部作の最終章なのだと思うと、余りに稚拙だったように思う。 端折れるエピソードはかなりあったし、見せ方も脚本自体にももう一捻りあって欲しかった。かなり残念な作品(涙)
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