2005年11月15日(火) |
イン・ハー・シューズ |
監督:カーティス・ハンソン 出演:キャメロン・ディアス トニ・コレット シャーリー・マクレーン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 弁護士のローズの所へ継母から家を追い出された妹マギーがやって来た。不器量である事を悩み、仕事だけが生き甲斐のように生きてきたローズとは対照的に、妹のマギーは自慢の美貌を武器に奔放な生活を続けて仕事も決まらない。散々振り回された挙句に恋人を寝取られたローズはマギーを家から追い出してしまう。行き場のないマギーはふとしたきっかけで祖母がまだ生きている事を知り、祖母が住むフロリダまで訪ねて行くのだが・・・
【感想】 ジェニファー・ウェイナーのベストセラー小説を映画化。監督は「L.A.コンフィデンシャル」のカーティス・ハンソン、脚本は「エリン・ブロコビッチ」のスザンナ・グラントという豪華な組合せ。 豪華なのはスタッフだけじゃなくて、主演はキャメロンとトニ・コレット、更に彼女達の祖母役には重鎮シャーリー・マクレーンという・・・これは何かの祭りですか?ってな状態ですな。
簡単に言うと、「ブスだけど利口な姉 vs 美人だけどバカな妹」という組合せの姉妹が、すったもんだの末にお互いが成長してお互いを認め合って「やっぱり姉妹ってサイコー!アタシ達ってブラボー!」という話です。 ・・・げー。もうこれだけで90%ネタバレしてる予感(苦笑)
いやまぁ、話はコレだけではありませんが、コレが意外に良く出来てましてネ。
要するに「完璧な人間なんて存在しない」って訳ですわ。 誰だって自分の中にコンプレックスやトラウマの1つや2つ持っている。時としてそれが足かせになって、自分の生き方や人生すらも左右してしまう・・・そんな「自分のコンプレックスに人生振り回されっ放し」の姉妹が、本当に自分に必要なもの・自分を必要としてくれる場所を探して見つけて成長する。
更に言えば、血の繋がった姉妹だからこそ本気で相手に意見が出来る。逆に血の繋がった姉妹だからこそ相手の一番痛い部分をズバリと突いて傷付けてしまう。 ぴよには男の兄弟しかいないので、彼女達の本気で呪い合ってるようで実は最も愛し合っているという「姉妹愛」がすごく羨ましく目に映りましたね。
そんな訳で、誰が見ても気持ちのいい作品です。 お涙頂戴への布石の連続では息が詰まりますから、そこんとこは老人ホームのでしゃばり爺さん婆さんが登場してうまく緩和してくれますし、キャメロン・ディアスは次から次へとエッチでCUTEな衣装を身にまとって絵的にも楽しい♪
祖母と姉妹の父親との確執ネタも本筋にうまく絡んでいてソツがないし、母親の死因に関わるネタは出来すぎなくらい。 おバカのマギーが唯一覚えている「人生最高にハッピーだった日」が、クライマックスでこう使われますか!この脚本家は本当に伏線の張り方や見せ方が上手いなぁ〜、と感心しますね。
難を言えば・・・「靴」ですか。 「何足買っても満足出来ない。自分だけにピッタリの一足が見つからない」というネタがこの作品の言いたい事を代弁しているハズ(だよね?)なんですが、靴に関するエピソードと存在感が薄い気がするなぁ。 まあ・・・靴はあくまでも象徴であって、それ自体に重要な意味がある訳じゃないからいいんだけどサ。
そうは言っても、かなりオススメな一作です。 デートムービーというよりも・・・女の子同士や姉妹で、またはたまには女性一人で鑑賞してみてはいかがでしょう? コンプレックスを持つ、世の中全てのいとおしい女性達に捧げたい・・・そんな優しい気持ちになる作品です。
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