監督:ロマン・ポランスキー 出演:ジョニー・デップ フランク・ランジェラ レナ・オリン、他 オススメ度:☆☆☆+
【あらすじ】 腕利きの古書鑑定人コルソは、悪魔の研究家として知られる収集家バルカンから、世界に3冊しか現存していない伝説の悪魔祈祷書「影の王国への九つの扉」を探して欲しいという依頼を受ける。バルカンは3冊の内の1冊を最近手に入れたのだが、その本の真贋を見極める為に残った2冊の本と見比べて欲しいというのだ。法外な報酬を提示された事で仕事を引き受けたコルソだが、その直後から彼の周囲で怪しい影が付きまとうようになる。
【感想】 1999年製作(日本公開は2000年)のオカルトホラー?ホラーミステリー?作品。 ジョニー・デップ主演映画なんだけど、公開当時「怖い映画は見たくない!」と思って敢えてスルーしていたものの、その後バンバン映画を見るよーになって随分オカルト物にも耐性が出来たので、きっと今見たら大して怖くないだろう・・・それにジョニー主演作品だからやっぱり見ておきたい・・・と思ってDVDレンタルして来て鑑賞。
この作品、ロマン・ポランスキー監督作品だったんですねぇ。借りるまで知りませんでした。 ロマン・ポランスキー監督と言えば「戦場のピアニスト」でオスカーを手にした事が記憶に新しい・・・もっと言えば、その授賞式に彼が参加するかどうかで随分物議をかもした事も記憶に新しいですわな。 (蛇足だが、彼は幼女にレイプをしたかどで逮捕・保釈中に海外へ逃亡。未だに逃亡犯です。)
人間としてはクソかもしれんが(コラ)、彼の作品は意外に面白いと思っているアタクシ。作品の質と人間の質は必ずしも比例するものではないという好例なんでしょうなぁ(苦笑)
さて、前置きが長くなってしまいましたが。
日本では余り馴染みのない「悪魔崇拝」に関連するネタなので「取っ付きにくいなぁ〜」と思っていたものの、見始めるとグイグイと話に引き込まれて「謎解きモノかにゃ♪(←かなり好き)」と画面に釘付け。 何しろ謎解きに挑むのは我らがジョニー@眼鏡+ヒゲ面もセクシーで可愛い♪ですし、映画冒頭も何の説明もなく老紳士の自殺シーンから入り、その後もチョロチョロと「こりゃ〜後の展開の重要なキーになるに違いないにゃ?」と、思わせぶりな小さなショットやシーン(いかにもオチの伏線ちっく)を挿入。 いいぞ♪いいぞ♪この手の見せ方はぴよのかなりお好みですゾ♪
と、なかなかいい感じに話は進んでいくのだが・・・いざ肝心のクライマックスに差し掛かる辺りから、どーもその勢いが失速してしまったと言うのか「単純に面白味が薄れた」と言うのか(^-^;
ラストシーンに関しては賛否両論あるらしいけど、ぴよはコレで充分だと思うんですよ。 でもちょっと説明不足?と言うのか・・・例えばテルファー未亡人のケツ(内モモ?)の入れ墨はどういう意味があったのかさっぱり判らなかったんだけどな。 単に「コレは黒魔術師や悪魔崇拝をしている狂信集団の証なんですヨ」って事だったんでしょうか?
コルソをストーキング(をい)している「謎の女」の位置付けもあやふや。 ぴよは最初彼女を「ルシファー(堕天使・サタン)」であろう、と思って見ていたのだが、コルソがピンチになるとやって来て彼を守るトコロを見るともしかしたら守護天使なのかもしれない。 でも彼が成そうとしている事は、結果から言うと「悪魔の降臨」なので、それを手助けするという事はルシファー?
そもそも超自然的なモノには全く興味のない、金しか信じない男コルソが、どうしてルシファーだか守護天使だかに選ばれて守られる事になったのでしょうか? コルソが調査していく内に、自ら悪魔に魅入られてしまった・・・という事なのかもしれませんが(って言うかそういう事にしておかないと話の辻褄が合わなくなるしな)、少なくとも映画を見ていてコルソがそこまで悪魔崇拝に傾倒しているようには見えなかった。
どうも、そこら辺りが説明不足な気がするんですよね。 伏線の張り方は巧みなんだけどオチの説明が足りないので、見ていてスッキリしないし尻がむず痒くなる。 悪魔崇拝・オカルトに詳しい方が見ればコレで充分なのかもしれないけど、ここら辺りの知識の薄い日本人にはやはり難解で説明不足という感じにはなってしまうと思う。
ホラーを期待して見ると「大して怖くねーぢゃん」と思うだろうし、 ミステリーを期待して見ると「ミステリーオチはミエミエだったけど、小ネタの意味がわからんし」と思うだろう。 ・・・どっちつかずだけど雰囲気はいいしジョニーは可愛い(うふ♪)ので、何だかムリヤリ満足させられたよーな。
うーん。でもぴよには消化不良。ぐぅ。
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