2005年10月23日(日) |
夢のチョコレート工場 |
監督:メル・スチュアート 出演:ジーン・ワイルダー ピーター・オストラム ジャック・アルバートソン、他 オススメ度:☆☆☆☆
【あらすじ】 ウィリー・ワンカのチョコレートは世界中の子供達に愛されている。ワンカが新しいお菓子を発明したらしい噂を聞いたライバル会社は、レシピを盗み出そうと必死の状態だ。ある日ワンカは世界中の子供達から5人だけチョコレート工場の見学をさせると発表。ワンカのチョコレートの中に入ったゴールデンチケットを手にした子供だけが工場に入れるのだ。貧しくも心優しい少年チャーリーは5枚目のチケットを手にする事が出来、ジョー爺さんと共に工場を訪れるのだが・・・
【感想】 現在公開中のティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の「チャーリーとチョコレート工場」ではないです。 本作は1971年に制作された作品。バートンが本作のリメイクをしている訳ですわね。今更説明するまでもないけど、本作はオリジナルではなく元ネタはロアルド・ダール氏著の同名児童小説。
と、いう訳で先にバートン版を見てから本作鑑賞。 実は両方見た友達に「1971年版の方が面白い」と聞いたので、ぴよも見比べたくなったってー訳ですワ。
基本的な筋は同じですね。(当たり前ですが) 本作と原作がどれくらい違うのかがまず判らないんですが(原作未読)、バートン版との大きな違いはまずチャーリーに父親がいない事(その理由は明かされていない)、それからバートン版にはウィリー・ウォンカ(本作ではワンカ)の幼少時代のトラウマと父親との確執が描かれているが、本作ではワンカ自身の横顔に触れる事はない。
あくまでもチャーリー自身にスポットが当てられていて、ウィリー・ワンカは水先案内人の役に徹しているというスタンスが最も大きな違いだろうと思う。 本作の方がより子供向けに作られている・・・と言うよりも、バートン版がジョニー・デップを起用した事で、主役をチャーリーではなくウィリー・ウォンカにしてしまった、と言った方がいいのかも? (話の筋を考えれば、明らかに本来主役はチャーリーのハズですしね)
2005年の現在見ると何とも微妙な絵ではありますが、コレが34年も前に製作された作品だと考えると驚異的です。 バートン版に比べてもっとミュージカル色の濃い作風で、楽曲もとても作風に合っていてステキ♪個人的にはウンパ・ルンパのキャラクターとミュージカル部分はバートン版よりも本作の方がぴよは好きです。
で、本作とバートン版のどちらが好きですか?と聞かれると・・・ぴよはやっぱりバートン版の方が好きかなー? だってジョニー・デップだもん♪(←それだけかよ。苦笑)何だかんだでジョニー・デップが好きな人だったらバートン版を支持しちゃいますよね?(^-^; もしバートン版を見る前にコチラを見ていれば「1971年版の方がやっぱりオリジナリティを感じて面白い」という感想になるんだろうけど、少なくともジョニー・デップファンの人がバートン版を先に見てしまうと、どうしても「ジョニーのウォンカ」のキャラが頭に染み付いて、どうしても本作のワンカの印象が薄くなる。
・・・って言うか、だから自分でも「本作の主人公は本来チャーリーのハズ」って書いてんじゃん(苦笑) 少なくとも本作の方がチャーリーに焦点を合わせていますし、バートン版よりもずっと子供らしいキャラだった。 バートン版のチャーリーは非の打ち所のない清廉潔白な少年という描き方だったけど、本作のチャーリーはちょっぴりいたずらもしちゃう・・・でも悪気のない普通の少年です。 だからこそクライマックスのシーンで「心の優しい子ぢゃねーか!」という気にさせるんですよね。
児童書としては余りに風刺の効いたブラックユーモア、楽曲の素晴らしさ、展開の楽しさ、どれをとっても超一級のエンターテイメントになっていると思います。本作を先に見ておけばよかったなぁ〜・・・とちょっと後悔。 多くの方が「1971年版の方が面白い」と言う気持ちはよーく判りますね。
バートンはきっと本作と原作をとても愛しているんだろうな・・・と、思いましたね。 もしかしたら1971年版の素晴らしさに敬意を表して、バートンはCGを極力使わず実写にこだわったのかもしません。
本作も、バートン版も、どちらも作品に対する深い愛情とこだわりを感じさせる素晴らしい作品でした。
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