監督:ピョン・ヨンジュ 出演:ユン・ゲサン キム・ミンジョン ト・ジウォン、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 高校卒業目前のミンジェは父の出張中に車を無断拝借して乗り回している時に偶然引き逃げ現場に遭遇する。たまたま現場に居合わせたバレエ教師ヤン・ジョンスクに、飲酒で無免許運転なのがバレてしまった。バレエ教室の受講者集めに必死のジョンスクは、弱みにつけこんでミンジェと彼の友人を生徒にしてしまう。いやいや行ったバレエ教室にずっと片想いをしていたスジンも通っている事知ったミンジェは大喜びするのだが・・・
【感想】 あいち国際女性映画祭で見た作品。流行の韓流映画ですネ・・・本作は来年日本公開の予定?だと思います。 監督のピョン・ヨンジュ女史は元々ドキュメンタリー畑出身の方だそーでして、フィクション劇映画としては「密愛」に続き本作が2本目なんだそーです。(ちなみに「密愛」は2003年の本イベントで上映されましたがぴよは見ませんでした)
話は高校卒業間近の若者達の成長する姿を様々なエピソードを交えながら瑞々しく描く・・って感じですか。 タイトルを見ると「バレエ教室で出会った男女のドタバタ恋愛コメディか?」と思いそうですが、実際は全然ドタバタコメディではなくて、かなり真っ当で真面目に作ってる「大人になる為の儀式的」成長物語でした。 ちなみに原題は「Flying Boys」です。邦題と随分印象が違うタイトルでしょ? ぴよは正直言って、邦題よりも原題のままの方が作品の意図がストレートに伝わる気がしたんですけどネ。
上の「あらすじ」には書かなかったけど、本作の柱は「父と子の関係」だったと思うんですよ。 ミンジェの父親はパイロットという職業で、1年の半分は家を空けているという状態。母親は早くに他界していて親との関係が非常に希薄になっているという大前提がある。
そこへ持って来て韓国の加熱する受験戦争と、韓国ならではの「年長者(親)には絶対服従」という儒教的な側面を混ぜ合わせて、親から独立して行こうとする子供達の葛藤や試練を「バレエ教室」を舞台に繰り広げて行くという感じか。
最終的にはかなりいい話にまとまるんだけど、何かぬるいと言うかかったるいと言うのか・・・ 結構てんこ盛りにエピソードを盛り込んでいるんだけど、割と淡々と見せているんですよね。淡々としているからこそイマドキの等身大の高校生を見せるという点でリアリティが出ているとも言えるんですが、様々なエピソードがキレイにまとまり過ぎちゃってるような・・・いや、キレイにまとまってるなら脚本として優れているという事なんでしょうけど、何だかぴよには物足らなかった。パンチが足りないと言えばいいのか。(^-^;
バレエシーンの見せ場もかなりいい感じだし、スジン嬢は愛らしいし、ミョンジェを演じたユン・ゲサン君は本作がスクリーンデビュー作だそうですがなかなか演技も板についてて好感がもてますが、でも何か印象が薄い作品。 でも・・・今現役の高校生が見たら共感度が高いのかも?
どーでもいいんだけど、ユン・ゲサン君って西武の松阪大輔投手に似てません? え?ファンに瞬殺される?・・・どっちのファンに?(^-^;
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