2005年09月07日(水) |
Oh Happy Day |
監督:ヘラ・ヨーフ 出演:ロッテ・アンデルセン マリク・ヨバ デッテ・グローブル、他 オススメ度:☆☆☆
【あらすじ】 デンマークの田舎町に住む主婦のハンナは失業中。彼女の唯一の楽しみは兄嫁で親友のグレタと共に教会のアマチュアゴスペル合唱団で歌う事。ある日ひょんなきっかけでアメリカから来たゴスペルバンドの指揮者ジャクソンと知り合い、何とジャクソンがハンナ達の合唱団の指導をしてくれる事になったのだ。ジャクソンから「心から歌え」と熱心に指導される内に、ハンナの中で気持ちが大きく動き出したのだった。
【感想】 毎年この時期になると書いてますが、ぴよの地元名古屋では9月7日〜11日まで「あいち国際女性映画祭」というイベントが開催されています。本作はその映画祭のオープニング作品。 デンマークの作品です・・・あまりデンマークで製作された映画って見た事がないので、出ている役者さんもほとんど見覚えがありません。もちろん監督さんの名前にも聞き覚えなし(^-^;
話は平凡な主婦・・・でも実は若い頃に本気で歌手を目指してオーディションまで受けたものの、自分に自身が持てなくて夢半ばで諦めてしまったという過去をもつ女性ハンナが、情熱的なアメリカおやじに出会って彼に惹かれて行く内に、自分の中で押さえ込んだり諦めて来た夢に向かって新しい一歩を踏み出す勇気を得る、という感じでしょうか。
何だか99%くらいネタばらししちゃったよーな気がします。どーしましょう(滝汗)
はっきり言ってこの作品の評価は「ハンナに同調出来る人か否か」で変わって来るよーな気がします。 多分多くの女性はハンナに「その気持ち、判るわぁ〜」という思いを抱くんではないかと思うのですが、ぴよはハンナみたいなタイプの女性って「何だか煮え切らねーオンナだなぁ」としか思えなくて。←いきなりコレだ(笑)
ハンナという女性は、天賦の才能に恵まれながらも「自分に自身が持てない」「怖い」という理由で夢を諦めてしまう。 諦めて田舎に戻って来ると、友人と婚約していた男を横からかっぱらって結婚。夫はワーカホリック気味ではあるもののハンナを深く愛してくれて一粒種にも恵まれる。 で、息子も手が掛からなくなって自分も失業してヒマになってしまうと、夢半ばで諦めて来た我が人生を振り返って後悔しまくる事しきり・・・でも結局私って何もやれなかったぢゃん?怖がって何1つやり遂げれなかったぢゃん?の堂々巡り。
・・・ハンナに同調出来なかったぴよが書いてますから相当感じ悪い印象ですが(苦笑)、この作品の言いたかった事はそこから何かを学び取ってもう一度生まれ変わろうとする女性の姿だったんだろうと思いますわ。
ただね、大人として家庭を持って社会で人生半ばまで生きて来た人間が、何の痛みも伴わずに「夢だけ実現させる」なんて調子コイてもらっちゃー困ります。それじゃーただのおとぎ話です。 本作のキモは、ネタの着地点に非常にリアリティがあるというトコロだったと思うんですよね。 決してハッピーエンドの大団円にしない。ハンナは夢を実現させるべく動き出すけど、その代わりに大きな代償を払わなければいけなくなる。複雑な思いを抱えつつも夢を叶える事を選んだハンナ。
このラストシーンは結構好きだな。 男性監督ならおとぎ話にしちゃうトコロでしょう。女性監督らしい辛らつな展開だと思ったな。
そんな訳で男性には批判的、女性には好意的な評価を受けそうなラストです。 ぴよは「だったら最初っから臆病風吹かさずにチャンスを掴んだら死に物狂いで頑張れヨ」「一旦諦めたんだったらきっぱり割り切って後からウジウジすんなよ」と思ったんですがネ(苦笑)
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