監督:ジャン=フランソワ・プリオ 出演:レイモン・ブシャール デヴィッド・ブータン ブノワ・ブリエール、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 カナダの小さな島サントマリ・ラモデルヌ島は、かつては漁業で栄えたものの今では島民のほとんどが生活保護に頼って暮らす貧しい島だ。そんな島に工場誘致の話が来て有頂天になったのも束の間、誘致条件「医師が島に常駐」の一文を見た無医島の島民達は、必死の医師獲得に乗り出す。そこに1人の医師が1ヶ月間だけこの島にやって来る事になったのだ。1ヶ月の間に何とか医師にこの島を気に入ってもらって定住してもらおうと、島民達の奮闘が始まるのだが・・・
【感想】 カナダ発、ほのぼの癒し系ムービー。 全編フランス語なので、映画見ながら「コレはフランス映画か?」と思ってたんだけど、よく考えるとカナダはフランス語圏でもありますよね。 監督さんも知らなければ出演してる役者さんも誰一人全く知らない。もしかしたらすごく有名な作品に出ているのかもしれないけれど、少なくともぴよは他の作品で見た記憶のない役者さんばかりでした。
話は上のあらすじに書いたとーり、工場誘致の為に無医島に医師を呼ぼう!と奮闘する貧しい島民たちの様子を、まったりとコミカルに見せてくれる「心温まるヒューマンドラマ」です。 予告編で想像したよりもグッとコミカルで楽しく、オチも予定調和って感じで磐石。いい話でしたぁ〜♪
・・・あれ?感想終わっちゃった(笑)
まあ、好き嫌いが結構出そうな予感の作りではあります。 そもそも出演している役者に全く華がないので(色男揃いの貧しい島なんて不気味だし。苦笑)、華やかで派手な展開を期待するハリウッド映画好きさんには全くオススメ出来ません。 医師獲得に向けて右往左往する島民のドタバタ劇が「在り得ないし鼻白む」という方もいるかもしれません。 でもぴよはこの作品、かなり好きなタイプでしたねー♪
盗聴したり、出来もしないクリケットに熱中するフリしたり、余りにわざとらしい(言い換えれば涙ぐましい)大ウソまるけの島民一丸となった「大芝居」が続くんですが、どうにもこうにも憎めないおっさん達です。
それにしても、ここまでウソ付きまくると見てて医師が気の毒になって来るんですが、映画の展開も観客に呼応するように騙してる島民側代表・ジェルマンが、段々医師に対して「自分達のウソが医師を傷付けるのでは・・・」と、遅まきながら良心の呵責に悩むようになる。 お前今まで率先して医師を騙くらかしてたやんか!と思いつつも、失恋して心傷付いた医師を何ともやるせない表情で見守るジェルマンの姿に、「お前も悪気があってウソついた訳ぢゃねーしな。気持ちは判るぜ。うん」と、思わず肩の一つも叩いてやりたくなる。
話のオチは見えてても、やっぱり見てて気持ちがいい。 あざとい下ネタも「田舎の素朴なおっさん達のする事だ」と許してやりたくなる・・・まるで自分がこの映画に登場する医師になったよーな気持ちで、思わず「しょーがねーなー」とほくそ笑みたくなる、そんな優しい気分になれるドラマでした。
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