監督:実相寺昭雄 出演:堤真一 永瀬正敏 原田知世、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 昭和27年東京。小説家の関口は雑文書きの為の怪奇ネタを探していて、由緒正しい産婦人科医の娘・梗子が妊娠したまま20ヶ月経ってもまだ産気付かないという噂を耳にした。しかも梗子の夫は1年半前に謎の失踪をしており、更にはこの病院で生まれた新生児が次々姿を消しているというのだ。関口は何かと頼りにしている古本屋の店主と神社の神主を兼任している友人「京極堂」に助けを求めた。京極堂の助言で同じく友人の探偵「榎木津」に相談するのだが・・・
【感想】 ベストセラー作家・京極夏彦氏のデビュー作にして驚異的なヒットを飛ばした「姑獲鳥(うぶめ)の夏」の映画化。 毎回毎回「原作未読ですぅ〜」と泣きの入るぴよですが、本作は違います!京極堂シリーズは熱狂的ファンが多いという噂を聞いていたぴよは、この作品が文庫化されると速攻で購入して読みましたヨ! 文庫化されたのが確か6年くらい前・・・その時読んだっきりでその後再読してないので、内容は覚えてても細かいディティールは忘れちゃってたんだけどね(苦笑)
「姑獲鳥の夏」は6年前に読んだきりだけど、その後の「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」「狂骨の夢」「鉄鼠の檻」までは文庫本を買い続けたので、「京極堂シリーズ」のキャラクターに対するイメージというのが何となく自分の中で出来ていました。
さて前振りが長くなりましたが本作。 いきなりですが・・・これは原作ファンと原作を読んでいない人とではかなり評価が別れそうな予感です。 まず原作ファンが一番指摘しそうなのが「配役が原作のイメージと違い過ぎる」という事。 それから原作未読の人は・・・この映画だけで話が判りますかね?ぴよは原作を読んでるので勿論判りますが、あれだけの長さの小説を2時間程度の映画にまとめているので、かなりムリがあったように思う。
京極夏彦氏の作品って、根本的に映像化するのに向いてないと思うんですよ。 説明がやたら長いし難しいし、種明かしシーンも「ぼんやり関口クン」が訳わかんねー!って京極堂に説明を求めて、京極堂がどうしてこんな簡単な事がわかんないの?てな調子で更に説明を重ねるというパターンなので (でもコレって読者向けに判り易く解説してくれてるんだと思う。だって読んでても訳わかんねーもん。笑) 著書として楽しんでる分には前に戻ったりしながら読み直してオチを楽しめるものの、これを見直しが聞かない映画としてサラサラ〜ッと見て行くと「クライマックス以降の説明シーンが長過ぎてダレる」と大抵の人が思うんじゃないかな、と。
実際映画見てて種明かしシーン以降、スクリーンが一瞬暗転する度に早とちりして席を立った人が更にシーンが続くので慌てて席に座り直す事が数回(苦笑) 種明かしシーンの説明が長過ぎてみんなダレダレになっちゃってた(^-^;
個人的には配役がやっぱりしっくり来なかったなぁ。堤サンは好きな役者だけど京極堂のイメージとはちと違う。 凄く頑張ってたと思うから原作未読の方なら違和感ないだろうけど、ぴよ個人的には京極堂のイメージって豊川悦司サンみたいな感じだったんだけどナ。 永瀬クンの関口も・・・それより榎木津が阿部チャンってのはどーだろ?原作では色白の美青年だったハズ。もっと線の細いお人形のような優男って感じなのになぁ。逆に木場が宮迫クンっては線が細過ぎるしさ(薄涙)
まあ、原作と映画は別物で楽しむべきなので配役についてアレコレ言うのも何だしな・・・だったら映画の作りだけ原作を踏襲してダラダラ説明ばっかりしないで、もーちょっとテンポ良く見せてくれよ!(怒) 本で読む楽しみ方と映画としてスクリーンで絵を見る楽しみ方は根本的に違うでしょ。この監督さんは要するにこの作品を自分の中で咀嚼する事が出来ずに、半端に原作の雰囲気だけ残してまとめられなかったんだろーな。
コレってシリーズ化するんですか? だったら次は「魍魎の匣」か・・・実は原作読んだ中でぴよは「魍魎〜」が一番好きなので、もし「魍魎〜」を映画化するならキャストには一々文句付ける気はありませんが・・・少なくとも監督は別の方にやってもらいたい(苦笑)
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