2005年06月26日(日) |
HINOKIO ヒノキオ |
監督:秋山貴彦 出演:中村雅俊 本郷奏多 多部未華子、他 オススメ度:☆☆
【あらすじ】 事故で母親を亡くしたショックからリハビリを拒否して引き篭もりになってしまったサトル。事故から1年後、不登校への新しい取り組みとして遠隔操作のロボットによる「代理登校」が始まり、サトルの父親・薫は自分が開発したロボット「H-603」をサトルに与えた。H-603を使って代理登校を始めたサトルだったが、他人とコミュニケーションを取ろうとしないロボットにガキ大将ジュンらは執拗にイジメまがいのイタズラを繰り返すようになる・・・
【感想】 「FINAL FANTASY」等でオタク心を存分に刺激してくれた「日本が世界に誇るVFXの大家」秋山貴彦氏が原案・脚本・監督・VFX監督と何から何まで自分の思い通りにやっちゃったお子向けファンタジー。 なんと秋山氏は本作の構想を20年間も温めていたそーだ。
少なくとも20年間温めたのは成功していると思う。 20年前に思いついた頃では、ここまでリアルなロボットの動きを映像化する事はムリだっただろうし、ASIMOやAIBOなどのロボットが広く世間的に認知されるようになった今だからこそ、「代理登校をする遠隔操作のロボット」という設定が微妙にリアリティを持って受入れられるんじゃないかと思う。
映画のタイトルはロボット「H-603」に付けられた愛称「HINOKIO」ですが、話自体は引き篭もり少年と周囲の人々との心の交流と親子関係の再生がテーマのヒューマン・ファンタジーになってます。
ヒューマンでもファンタジーでもいいんだが、ぴよには「ゲームと現実のシンクロ」ってのがどーにもこーにも受入れられませんでしたねぇ・・・つーか異常に手の込んだ劇中のゲーム画面だけどさ、ここまで作り込む必要あんのか? まあ・・・秋山氏ですから(←コレが全てですか。そーですか。はははっ)
ゲームとシンクロさせる必要なんてないと思うんだよな。それよりもジュンとサトルの心の交流部分をもっと掘り下げたり、父親の心の葛藤やサトルと父親の親子関係の掘り下げに時間遣って欲しかったですよ。 ジュンがどんなに呼び掛けても、父親がどんなに語り掛けても、拒絶しかしなかったサトルが遂に心を開く!という肝心のエピソードがあーいうファンタジーってのがどーもなぁ・・・もっと生身の人間との交流でサトルの中に決定的な変化をもたらして欲しかったんだな。
結局最後までサトルは自分の力で答えを出そうとしない訳ですから・・・しかも父親の存在なんてまるで役立たず(^-^; 更に言えば中村雅俊氏の父親役がここまで違和感があろーとは。とほほほ
実際に今のお子達がこの映画を見たら、どういう刺激になるんだろう? 映画制作者側が訴えかけたい(んだよね?)人と人の心の交流や再生部分が、きちんと伝わるんでしょうか? 子供達がゲーム・ジャンキーになるくだりばっかりに刺激されちゃったらヤバいよねぇ・・・つーか、もしかしたらこの映画がヒットしたら「映画HINOKIO中に登場するゲーム、PS2で商品化!」みたいな話になったりするんちゃうん?(笑)
多分本作は世間ウケが良さそうな気がするんですが・・・ぴよはあまりピンと来ませんでしたねぇ。 ただ、この映画を見て唯一ぴよがピン☆と来たのは
ジュン役の多部未華子ちゃん。彼女は素晴らしい!今後超期待したいっ!!
|