監督:アレクサンダー・ペイン 出演:ポール・ジアマッティ トーマス・ヘイデン・チャーチ ヴァージニア・マドセン、他 オススメ度:☆☆☆☆−
【あらすじ】 国語教師のマイルズは小説家志望。脱稿した小説が出版されるかもしれないとあって連絡待ち状態で落ち着かない。友人のジャックが1週間後に結婚を控え、2人は結婚祝いと称して1週間「ワイン三昧」の旅行に出かけた。 ワイン通のマイルズをよそに、ジャックの本当の目的は独身最後の女遊び。前妻との離婚を引きずり続けるマイルズにウエイトレスのマヤをけしかけるジャック。ジャックもワイナリーに勤めるステファニーを口説き落としてご機嫌なのだが・・・
【感想】 今年のアカデミー賞の脚色賞を受賞した事で、多少知名度が上がった感のある本作。 えー・・・この作品、モルディブに行った時にスリランカ航空の機内上映で見ました。元々帰国したら絶対に見に行くつもりでいたからタダで見れたのはラッキーでしたワ♪ 監督は「アバウト・シュミット」の大ヒットが記憶に新しいアレクサンダー・ペイン氏。
そもそもビール一辺倒のぴよはワインの知識が全くない。 作品中にマイルズがワインのウンチクを垂れるシーンがありますが、まあワインを知らなくても全然問題ないし、映画の展開上ワインの知識がないと理解が出来ないようなシーンもありませんので問題ないです。 で、マイルズとジャックがワインのテイスティングをしているシーンで、ジャックが実はガムを噛みながらテイスティングをしていた事が判ってマイルズが唖然とする場面があるのですが、さすがにワインを知らなくても「こんな事あり得ねー!」って誰でも笑えますしネ。
ワインのテイスティング旅行に出かけた先でのアバンチュールが話の中心ですが、これがなかなか面白い。 男も女も30代後半〜40代前半くらいの設定かな?そこらのケツの青いガキどもの色恋沙汰じゃなくて、人生の酸いも甘いも嗅ぎ分けた大人の男女の会話というのは非常に機知とウイットに富んでいて楽しい。 ワインに関する話題の中にさりげなく人生観や恋愛観を潜ませる・・・もっと言えば、ワインを題材に借りてお互いの心の内を探ったり自分の心を垣間見せたりする。
映画中、マヤがワインに人生観を引っ掛けて「人生はワインのように熟成されてピークを迎え、その後は徐々に坂を下っていく。でもピークを過ぎて下っていく味わいもまた捨て難い」というようなセリフを語るんだけど、これは誰が聞いても(特に30代以降、多少は人生論を語れるよーな歳になった人なら)うっとりするシーンだと思う。
意外な事に、予告編を見た限りでは大人の男女のしっとりと成熟した恋愛をワインに絡めて見せる作品なんだと思っていたのに、マイルズの相棒ジャックのキャラが物凄く濃く(しかもとんでもおバカ♪)かなり滑稽なエピソードが多くて、見終わった後冷静に考えると結構ハチャメチャなんだよね(^-^; マイルズはジャックに振り回されて散々なんだけど、でもジャックは何だか憎めないキャラ。 複雑な大人の事情や人生観、マイルズのトラウマ、そういうウェットな部分をジャックのおバカキャラがうまく中和しながら見せてくれるのは上手い構成だと思う。ハチャメチャなエピソードを見せながらもきちんと大人の恋愛を見せてくれるという絶妙なバランスは、まるで熟成されたワインを味わうようなお楽しみがありますよネ♪
華やかな恋愛物ではないし、年に数本しか映画を見ないよーな方には馴染みのない役者さんばかりで「客寄せパンダ」がいないから、日本では注目度も低くなってしまうだろうとは思う。 でも、「非常に丁寧に作られた小品の良作」という印象の強い作品です。大人の方に是非勧めたい♪
ぴよ個人的には、サンドラ・オー(ステファニー役)が結構お気に入り女優さんなので、彼女が途中で出番がなくなっちゃったのがものすごーく残念だったんだけどネ(^-^;
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