監督:ピーター・カッタネオ 出演:ロバート・カーライル トム・ウィルキンソン マーク・アディ、他 オススメ度:☆☆☆☆+
【あらすじ】 イギリス北部の町シェフィールド。かつて鉄鋼業で湧いたこの町も今は廃れ、工場閉鎖によって半年前にクビになったガズ達は失業してジリ貧生活中。離婚した妻が「息子の養育費700ポンドを払わないと親権を奪う」と言って来てガズは一念発起、失業仲間と共に男性ストリップをやろうと思い付くのだが・・・
【感想】 20世紀フォックス配給だけど製作はイギリス。1977年の作品です。 今作は1977年アカデミー賞に4部門ノミネートされ、更に英国アカデミー賞では9部門ノミネート(内4部門受賞)というすんごい作品なんですよ。って言うか前からずーっと見たくってなかなか機会がなかったんだな。 今回よーやく鑑賞にあり付けましたワ♪
話は、離婚して息子を取られた上に失業して養育費も払えないダメ親父が、息子の共同親権を奪われないように養育費稼ぎの為に男性ストリップをやって大金を稼ごう!・・・まー何ともB級なネタな訳ですが、コメディに高尚なネタなんてあり得ませんから全然OKですヨ。 しかもストリップやる仲間ってのが、50過ぎた親父やデブや自殺志願の根暗野郎と、粒揃いの(謎)おっさんばかり。 こんなオヤジのストリップ見たかーねーよ!と誰もが最初は思うんだけど、それがちゃーんとコイツらのストリップショーが見たくて見たくて仕方なくなるよーに作られてるからスゴい!!(笑)
エピソードも小気味良くて秀逸! ほとんどの人が「お気に入りシーン」に挙げると思うけど、職安で並んでる人がドナ・サマーの「Hot Stuff」に合わせて知らず知らず体を動かしてるシーンはサイコー!ちゃんとみんなの動きが合ってるトコロも笑える♪それからジェラルドの家に差し押さえに来たヤツらを「パンツ一丁軍団」が無言で追い返すシーン!ステキー!(笑) 主人公ガズのダメっぷりも板に付いてるし、周囲のメンバーのキャラがきちんと描かれてるのも好感持てるネ♪
単に「オヤジのストリップショー」を見せるだけの映画じゃー面白いネタではあるけど闇に埋もれるただのB級映画。 この映画の素晴らしいトコロは、おバカネタなのにちゃんと彼らの葛藤や苦悩、親子の絆、夫婦愛、迷走、確執、そして団結と、人の心の機微をさりげなく余すところなく、しかも笑いの中に見た人を「癒す」パワーがある事だと思う。
特に手の込んだ脚本でもない、金のかかった映像でもない、あっと驚く展開もない。 それでもたった1時間半程度の短い上映時間で、これだけ笑わせてくれていい気持ちにさせてもらえる作品にはそうそう巡り会えないんじゃないかなぁ〜と思う。
ラストシーンの終わり方も潔くて気持ちいい♪ 非常に完成度の高いお気楽極楽コメディーですヨ。ご覧になってない方は是非鑑賞リストに加えて下さい♪
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