監督:オリバー・ストーン 出演:コリン・ファレル アンジェリーナ・ジョリー ヴァル・キルマー、他 オススメ度:☆
【あらすじ】 紀元前356年、時のマケドニア王フィリッポスとオリンピアスの間に生まれたアレキサンダーは、文武に長けた青年へと成長していった。彼が20歳の時に父王が暗殺され、若き王が誕生した。その類稀な戦術とカリスマによって次々と周辺諸国を制圧、ついには宿敵ペルシアを制してエジプトから西アジアの広大な領土を有するようになる。ところが故郷へ思いを馳せる家臣達を顧みず、アレキサンダーは更に東のインドまで遠征を強行するのだ・・・
【感想】 ラジー賞(ラズベリー賞)にノミネートされまくり、しかも受賞は確実視されているという「ある意味話題」の作品。 そーは言ってもすんげー豪華キャストですし、逆にここまで米国でコケ下ろされると一体どれくらいクソ映画なんだろー?って興味が湧くぢゃないですか♪←悪趣味ですか?(苦笑)
アレキサンダー大王については基本的な歴史は知ってるつもり。それよりも一緒に見に行った相方が猛烈なアレキサンダー大王ファンでしてネ、もう心酔してると言ってもいいくらいのラブラブ度なんですヨ。 だから見に行く前に相方に言っておいた。「かなりヤバいらしいから、覚悟して見なさいヨ!」ってネ。 ・・・映画見て震えてましたネ。怒りの余り体中ブルブル震わせてましたネ(苦笑)
日本では「アレキサンダー大王」と言うと、歴史の教科書の数行に記載があるだけの「すごく強い王様だったらしい」程度の触れ方ですが、彼は「アレキサンダー王」ではなくて「大王」なんですよ。 歴史上で「大王」と呼ばれるのはそう何人もいない。それだけ素晴らしい王様だったという事です。 彼が「大王」と呼ばれるのは、強くて情け容赦なくて惨殺して回った恐ろしい人だったからではなく、その圧倒的なカリスマと英知に長けた戦術、民衆を愛し民衆に愛された人だったからに他ならないのです。 世界中に今も彼の名を冠する町が数多くあり、そして21世紀の現在も「いつか必ずアレキサンダー大王が降臨する」と本気で信じて待ち続けている人達が数多くいる、本当の歴史上の英雄なんです。
その大王が、ただのマザコンのゲイでワガママで、家臣達みんなから総スカンくらった上に家臣みんなの協力で暗殺されたトンデモ野郎になっちゃってますがな。これってどーなんだヨ!? オリバー・ストーンはアレキサンダーの事が嫌いなんですか?そーとしか思えないくらい悪意に満ちた作品ですわ。
そもそも「イッソスの戦い」をすっ飛ばして「ガウガメラの戦い」をクローズアップするのもおかしな話。 映画ではいとも簡単にペルシアを下しているように見えちゃいますよね。ペルシア王ダレイオス3世の描き方もさ、悪趣味で能無しで逃げ回るだけのオッサンになっちゃってるし・・・どーなんだヨ!この映画ったらヨ!!(怒)
幼少時代〜ガウガメラまでの展開はそれでも良しとしよう。 ガウガメラの戦闘シーンは確かによく描けてたと思うし、この映画最大の見せ場だと断言出来る迫力ですし。 しかしながらその後のダラダラと続く間の悪い展開、しつこいくらいに登場する「ホモネタ」、更に東方遠征を諦めてインドから撤収するきっかけは「家臣から総スカン」食らって、更に「自分が怪我して気弱になっちゃった」からですか?それって全然史実と違うぢゃないですかぁーっ!!
挙句の果てにプトレマイオスに「みんなアノ人の夢に着いて行けなかったんだ」と言わせるに至って、相方は怒りの頂点に達しておりました。 さもありなんでしょう。何故オリバー・ストーンはアレキサンダーを俗人に貶めるのか? プトレマイオスに白々しく「彼の栄光が」「彼は真の英雄」と語らせても、この映画を見て誰が一体アレキサンダーを素晴らしい歴史上数奇な真の英雄と納得出来るだろうか?
確かにコリン・ファレルはミス・キャストではあるけど(全然マケドニア人に見えねーし)、彼の演技自体はぴよはそんなに悪くなかったと思う。アンジー姐さんだって妖怪めいてて面白いオリンピアスだったし(笑) ただただコリン君が気の毒でしたね・・・こんなクソ映画に何故キミは出演してしまったのか、と。 色男を見つけると途端に艶っぽい視線をくれる様子なんて、ウマ過ぎて感じ悪いですからぁぁぁーっ!!(爆)
アレキサンダー大王の栄光の歴史について知識のない方、お願いだからこの映画は見ないで下さい(^-^; これ見て「アレキサンダーってこーいう人だったんだぁ」なんて思われたらたまったもんぢゃありません。
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