2005年02月10日(木) |
イブラヒムおじさんとコーランの花たち |
監督:フランソワ・デュペイロン 出演:オマー・シャリフ ピエール・ブーランジェ ジルベール・メルキ、他 オススメ度:☆☆☆−
【あらすじ】 60年代のパリ、裏通りの貧しいユダヤ人街に住むモモは、母の顔も知らず父には愛されず育った13歳の少年。ある日家の向かいにある雑貨屋で万引きしたトコロを見咎められたモモ。ところが店主のトルコ人商人イブラヒムは笑顔で「もし今後も盗むならうちでやってくれ」と言う。これがきっかけでイブラヒムの元へ通うようになり、彼から生きる知恵や愛、そして笑う喜びを教えられて段々心を開くようになったモモだったが・・・
【感想】 自ら引退を表明していた「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバコ」で知られる名優オマー・シャリフを、スクリーンに引きずり出して第一線に復帰させたという作品。シャリフ氏は本作出演後に「オーシャン・オブ・ファイヤー(2004.5.8鑑賞)」でハリウッド復帰も果たしています。 本作はエリック=エマニュエル・シュミット氏著のベストセラー小説の映画化だそーだ。
親からの愛情を受けずに育ち、頑なに心を閉ざしている貧しいユダヤ人少年モモと、彼の心を氷解させて人生の素晴らしさを説く優しいトルコ人老人の心の交流を描くぷちロードムービー系。 「ぷちロードムービー」という言い方も変だけど・・・父親を失ったモモと2人でイブラヒムの故郷トルコにドライブ旅行するから確かにロードムービーなんだろうけど、でもなぁ〜んか違うよーな気がするんだよなぁ。
映画前半〜中盤までのイブラヒムとモモのやりとりはとっても面白いんだよね。 モモ少年がまた・・・13歳にして娼婦を買い漁るというとんでもねーマセたガキなんだけど(笑)、生まれて直ぐに母親は家出していなくなってるし、父親は母親が連れて行ったらしい兄の事ばかり引き合いに出して疎ましく扱われていて、家族の愛に飢えているという事から「娼婦遊び」に走っているのかな?と。
そんなモモを無条件で愛してコーランの教えを説くイブラヒムおじさん。 彼の信仰してるのはイスラム教でもちょっと特殊な「スーフィー」とか「スーフィズム」と呼ばれる神秘主義なんだけど、トルコに着いてからイブラヒムの故郷近くだと言われる場所で見かけた白いスカート履いてグルグル回ってるおっさん達・・・これ、トルコのコンヤという地方に残る「メヴレヴィー教団」という神秘主義派の独特の舞いです。 去年7月にトルコに旅行した時にコンヤで見たかったけど見れなかったんだ。この映画で見れてよかったワ♪
と、話が脱線しましたが(^-^;
「イスラム教の教え」だからと言って敬遠しないで欲しい。 イブラヒムがモモに語る話は、人として誰もが知るべき・守るべき教えばかり。優しい目でにこやかにモモに語りかけるイブラヒムおじさんはとぉーってもステキだ♪オマー・シャリフ、ハマってるなぁ〜!
パリの裏町の様子もすごく雰囲気があるし、トルコのイスタンブールのモスクや名物のサバサンド、カッパドギア、コンヤの様子もとぉーってもステキだし懐かしい♪文句なしだぜぇー!・・・と言いたいトコロなんだけど
どーもまとまりがないと言うのか、シメが唐突過ぎると言うのか。 突然取って付けたよーにバタバタと話が展開して、あれよあれよと話をまとめ上げて行ってしまうのは何故なんだか。 かなりいい話が聞けたハズなのに、映画見終わってもなぁーんにも心に残ってないんだなぁ←言い過ぎ?(^-^; ものすごーく静かな話(つーか、かったるい展開)なので、眠たくなる方も多々いるかと・・・
でもね、誰が聞いてもイブラヒムおじさんの話はホントにいい話なんだけどねぇ。何がいけないんだか(をい)
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